第10話 癌
「一回家に帰って来たのは良いけど美智子のことどうしようか一度家に行ってみるか」
~美智子の家~
コンコン
「おーい美智子いるかー僕だ和重ださっきは済まなかった君からしたら言われたくないことだったとは知らなかった本当に済まなかった僕が言いたかったのはこれだけだ僕はもう帰る落ち着いた時にまた話でもしよう」
僕は帰ろうとしたがいきなり視界が暗転しそのまま足を踏み外し転んでしまった。
~病院~
「先生和重君は目を覚ますでしょうか」
「正直その確率は0に近いよ」
「何故です?」
「君は和重君からは何も聞いてないのかい?」
「え?はい」
「仕方ない和重君には申し訳ないが言うしかないか、美智子さん覚悟して聞いてください」
私はその時暫く理解が出来なかった。
何せ私はその時初めて和重君が癌だと言うことを知ったのだから私はその時とてつもない怒りと悲しみに襲われた。
「何で…何で何も教えてくれなかったの和重君…」
「美智子さん君は分かっているかもだが和重君は君を傷付けまいとしてくれていたんだよ自分が癌だと言うことを知ったら余計に気を使わせてしまうと思ってのことだ」
「大丈夫です先生彼はそういう人ですので」
「でも君…泣いてるじゃないか」
「なに…を言ってるんですか泣いてるだなんて」
「思う存分泣いて良いよ僕は出ていくから」
先生が部屋から出ていった後私の涙は栓が外れたかのように涙が溢れてきた。
「なんでよ和重君…私はそんなに頼りない人なの?私がそんな事で傷付くほど弱い人だと思っていたの?和重君…何か答えてよ…」
私はその後もどれくらいか分からないが日が暮れたあとも泣き涙が枯れた後は深夜になるまでずっと傍に居てあげた。
「和重君私はそろそろ帰るね明日もまた来るからその時はまた私に笑顔を見せてね」
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