第9話君もそう言うんだね
「美智子ここが妹さんのベッドなんだ‥よね」
「そうだよ〜仁美可愛いでしょ自慢の妹なんだよ」
美智子が言っていたベッドはずっと使われていない様に掛け布団が畳まれていた。
「何処にいるんですか?」
僕は2つのことで混乱していた。あの時話しかけた人は何処にいるのかそして美智子は何を見て仁美と言ってるのかと言う疑問だ。
「何を‥言ってるの?ここにいるでしょ?」
「一体どこにいるっていうんですか?ここには使われてない掛け布団が畳まれているだけでしょう」
「君も…そういうんだね…」
そう言い残し美智子は走って部屋を出た。
「久しぶりだね和重君」
「先生…あれはどういう事ですか?」
そう先生に疑問をぶつけると先生は答えた。
「美智子さんはね本当は仁美ちゃんがもうこの世にいないことは分かってたんだよでもそれを信じたくないからこうやってここにはいない仁美ちゃんに話しかけているんだよ」
嘘だろ僕はそう思った。
あの時確かに仁美と出会った。
3日程前に話しかけられた。あれはどういう事なのだろう?
「先生仁美が亡くなったのはいつ頃ですか?」
「それがどうしたんだい?まあ疑問には答えよう3年程前だね」
3年も前に亡くなっているという事は僕が居なくなった後に亡くなった訳では無いということか、でも何で僕だけに見えたのだろう。
「それはね、私が貴方の事を選んだからだよ」
その時、答えを言ってくれた声があった。
「私はね貴方の事を信用していたの」
「...何で?」
「貴方からは他の人とは違う優しい雰囲気を感じたからだよ」
「美智子にも話しかけてあげれば良かっじゃないか」
僕は少し怒ったような声で言った。
「それは出来ないよ。お姉ちゃんには私を忘れて幸せに生きて欲しかったから話しかけちゃったら私の事忘れることなんて出来なくなっちゃうからね」
その理由はとてもお姉ちゃん想いのとても優しいものだった。
「ごめんね君を利用するみたいになっちゃって」
僕はそれを聞いて何も言えなくなってしまった。僕は美智子が好きだからそんな姉想いな考えを否定することが出来ない。
「とりあえず君は家に帰りなよ明日にでも謝ってみれば許してくれるかもしてないよ?」
「ああそうだな今日は疲れた、先生僕はもう帰ります」
「ああそれは良いけど何でさっき誰も居ないところに話しかけてたの?」
「さーて何ででしょうねさっきまでの話の流れで少しは分かると思いますよでは!」
僕はそのまま家に帰った。
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