第6話怖いのは嫌!

「きゃあああああ!」

「ちょっとあんま引っ付かないでください歩きづらい」

「嫌!終わるまでこのまんま!」

状況を説明しよう。

今僕達はお化け屋敷の中にいる。

美智子は怖いのが苦手だったせいで僕にくっ付いている状況だ。

「怖いよぉうう」

「泣くほど怖いのか」

「そうだよぉ怖いの無理ぃ」

可愛いこれがずっと続いて欲しいと思ってしまう自分は相当意地悪だということに気づいた。

「早く出ようよぉ」

「そ、そうだな」

僕達は無事にお化け屋敷から出ることが出来たがさっきのが終わってしまうのが少し名残惜しかった。

「ねぇ」

「はっはい何でしょうか」

「さっき私が泣いてるところ見て面白いって思ったでしょ」

「思ってないっすよ」

「絶対思ってた!」

「ほんとに思ってないです!」

「じゃあそれを証明するために私にスイーツ奢って」

「まあ高くなけりゃ」

「やったー」

面倒臭い状況になってしまった。まさか奢ることになるとは思ってなかった。こんな事になるならお化け屋敷に入んなきゃ良かったと後悔した。

「わあ〜美味しそう」

「確かにこれならこの店1番人気になるわ」

美智子が頼んだのは苺のムースケーキで僕はチョコレートのケーキを頼んだ。

「和重君のも美味しそうじゃん」

「まあね」

「1口ちょうだ〜い」

「いいよー」

美智子が食べていた苺ムースケーキはラズベリーを使っているからか少し酸っぱいが苺の甘さもあり2つの味が合わさってとても美味しい。

僕が頼んだチョコケーキはチョコがとても濃厚で少しビターな感じもするがそれがまた美味しくてすぐに食べ終わってしまった。

「ご馳走様でした」

「美味しかったね」

「だねこの店に来てよかったね」

「うん!」

「てかもうこんな時間か最後に1つだけでも乗ってく?」

「そうだな〜じゃあ観覧車に乗ろうよ」

「ええで〜」

僕は今凄いことを言ってしまった気がする。

2人っきりで観覧車なんてアニメでしか見たことない状況だったから自分の置かれる状況に困惑した。

「おおーいい眺めですな」

「ねー1番上に達してないのにもういい眺めそうだ和重君」

「ん?どしたの」

「和重君は私のことを最初見た時どう思った?」

「うーんなんて言うか凄い気配を感じたね」

「何それ」

「いやーでも言葉に例えるならこれぐらいしか言葉が見つからないよ」

「ふふ全く私はね君を初めて見た時は凄く変な人だと思った」

「えーひっでぇ」

「だって君は私が人との間に作ってた壁を無断で壊して私と距離を詰めてきたんだもん」

「まあしゃーないだってそうするしか無かったからな僕の得意なことは人との距離を詰めることだから」

「ふふ和重君らしい特技だね」

「お褒めの言葉ありがとうございます」

そんな会話をしてたら観覧車は下に着いてしまった。

「じゃあ今日はもう帰ろっか」

「そうだね後今日は僕自分の家に帰るよ流石に親が心配するだろうし」

「そうだねじゃあまた明日ばいばーい」

「ああバイバイ」

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