異世界行きの電車が発車します。
夜夏是凉
episod0.~プロローグ~
「もういい。こんな家出ていってやる」
なんなんだよ。ちょっと遊びに行っただけで・・・。子供は親の奴隷か何かか?
俺は高校2年の東雲遥太。ちょっと訳あって親と喧嘩した。
前々から怒られることがよくあった。学校でも失敗続きだ。
もう自分の生活にうんざりした。だから家出をすることにした。
「よしこれぐらいあればどこかのネカフェで過ごせるだろう」
俺の家は、ド田舎だ。電車も5.6時間に一本だ。今回はタイミングよく電車が来てくれた。
よし都会に出よう。
んん・・・なんだか眠くなってきた。寝過ごしだけは避けたいんだけど。時間かかるし寝ているか。
キキーッ
んっんぁ~ よく寝た。ついたかな・・・ってあれ人っ子一人居ない。え、寝過ごした?スマホスマホ。いや…ちょうど都会の駅に着く時間帯だ。
まあいいか一回降りてみよう。
プシュー
なんだここ。寝ぼけてんのかな。
ちょっと調べてみるか・・・ん?けん、がい。えー!圏外!?うそ!?さっき時間見たときは圏外なんて。
しかも電池ないじゃん。どうしよう。
とりあえず駅を出て人に聞いてみよう。
改、札はあった!
ピコン
とりあえず駅の人に聞いてみるか。
「すみません。ここって◯◯駅、ですよね?」
「申し訳ございません。そのような駅名は聞いたことがございません。こちらの駅は現実世界からこられた方をお迎えし、お送りするアンノロジー駅になります」
「アンノロジー駅?」
アンノロジー駅なんてあったか?
「みたところお客様は当駅ご利用はじめてのようですね。こちらの駅は異世界と現実世界を行き来するために作られた駅になります。」
「異世界と現実世界を行き来」
ってえええええ!!!!!異世界に俺が!?
「お客様は電車に乗った際に急な眠気に襲われませんでしたでしょうか」
眠気?たしかにしたような気がする。
「眠気ありました。それで寝てしまったようで気が付くとここに・・・」
「作用でございましたか。運転手が異世界ホールに通った際の副作用でしょう。」
「あの。ここからどうすれば現実世界に戻れるんですか?」こんな意味のわからない世界で戻れないって言われたくはない。戻れることを祈ろう。
「次の電車でお戻りいただけます。向こうの世界では時間はたっていませんのでご安心ください」
よかった。
「向こうの世界からこちらの世界へは望めばいつでも来られるように設定しておきますね」
設定?
「わ、わっかりました」
ガタンガタン
「お、話している間に次の電車来ましたよ。またいらいらっしゃってくださいね」
「本当ですね。ありがとうございます。またいつか来ますね」
プシュー
なんだあの世界・・・また眠気が襲ってきやがった。家の駅まで時間あるから寝るか。
異世界行きの電車が発車します。 夜夏是凉 @Y_shizuki2
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