第7話 欲望と弔いの正規迷宮

_____エスターテとヘルプスト。そしてスメラギが死んでしまった。

 ぜんぶぜんぶ、原因はだ。


 「リカバリーされない魔法……」


 「確か、彼奴はの力を使っておったな……?」


 そう作戦している間にも、シスターエスタシオンは二人の命を狙う。


 「グダグダしてると~?」


 そう言いながら、再三蝋台をふりかぶろうとする。


 『パリィイン!』


 白幕幻想の氷の壁で、なんとか命は取りとめた。


 「……はっ!」

 「リカバリーされない魔法なら……」


 そう言うと、アズールは蝋台に桜の花びらを刺し、魔法をかける。


 「……!」


 「はい、エル……」


 エスタシオンはリカバリーを試みたが、何故かこの魔法だけはリカバリーされなかった。


 「は?は?は?」

 「リカバリーができないなんて、禁忌だよ?」


 「……お前の存在の方が禁忌ダヨォ!」


_____


 ……ファイナルブロッサム

 歴代のの力を込めた、桜色の炎を操るという、最初で最後の大魔法。


_____


 「まさか……」


 そう言うと、エスタシオンは夏と秋の魔法を混ぜ合わせ、大弾を作る。


 「これでおしまいだよ~?」


 「あずうる、危ないのじゃ!」


 そう言い、白幕幻想は再び氷の壁を作った。


 しかし


 その壁はの炎であっという間に溶かされ、白幕幻想に大弾が当たる。


_____


 「ぅ……くっ!」


 「妾はまだ……闘える……!」


 「ふぅん?生意気だね~?」


 白幕幻想は、よろよろと立ちながら抗う。

 そして、アズールにそっと耳打ちをする。


_____


 『彼奴の弱点は、魔法じゃ。』


_____


 息を飲み、二人はまたシスターエスタシオンと闘う。

 無属性の魔法を、操りながら。

 四季を、自ら捨てながら。


 「え?マジでやってる?」

 「今のあんたら、モノトーンと同レベだよ?」


 そういい、エスタシオンは四季大魔法を唱える。


 「アキシオン、モラトリアム!」


 その時の二人は、とても余裕そうであった。

 なぜなら_____


 「白幕幻想」

 「あずうる」


 「「!」」


 シスターエスタシオンの盲点だ。

 取り込んだ四季魔法を使っても、四季魔法少女がリカバリー魔法を唱えたら霧のように消えるだけ。という事を。


_____


 「じゃあ、ボク達も」

 「いくぞ、あずうる。」


 「「!」」


_____


 暗転。

 三人は、真っ暗闇の中へと飲み込まれて行った。


_____本物の神はいるのか、それとも、に過ぎないのか?

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