第5話 欠けた四季、聖職者の思惑
_____エスターテとヘルプストが死んでしまった。
「なんで…なんでナノォ…。」
「お主ら…何故なのじゃ…。」
悲しみに暮れている二人の元に、スメラギがやってきた。
彼女のその顔はああ、ついになってしまったかという顔だ。
_____
「…落ち着いて聞いてくれ給え。」
「エスターテとヘルプストを死なせたのは…」
そう言いかけ、スメラギは唾を飲み込む。
「シスターエスタシオンだ。」
_____
スメラギからの衝撃的な言葉に、二人は動揺を隠し切れなかった。
何故、子供好きの優しいシスターである彼女が?
何故、いつもケアしてくれていた彼女が?
そんな疑問と悲しみで二人は頭が一杯になっている中、シスターエスタシオンはやってくる。
「あぁ、あーあ。」
「バレちゃったかぁ〜。」
「…エ?」
「まさか…ほんとなのじゃ!?」
二人が驚いている中、シスターエスタシオンは不敵な笑みを浮かべ、こう言った。
「四季の神になる為に、魔力を、全て奪っただけだよ。」
_____
四季の神。どうやら彼女は自分が神になるために二人を殺め、魔力を奪ったようだ。
「…と、なると」
「あとは分かるよね?頭のいいアルダちゃんとるるかちゃん?」
「…ボク達まで殺す気ダネェ?」
「そんな者に妾は懐いていたのか…。」
_____
シスターエスタシオンは、教会の蝋台を持ち上げ、語りだした。
「まぁ、元々ケアの時点で微々たる量ではあったけど、全員分の四季魔力は貰ったよ。」
「四季魔力だけくれるんなら、生かしてあげてもいいけど…」
「どうせ拒否するんだろうから、ここで殺してあげるよ。」
そう言い、彼女は蝋台で二人を刺そうとする。
シスターエスタシオンの行動にいち早く気がついた白幕幻想は氷の壁を作り、防衛した。
「ああ、ああ、あーあ。」
「抗っちゃう、かぁ〜。」
「じゃあ、エーリカちゃんとマリョちゃんの所へ送ってあげるよ?」
完全に本性を顕にしたシスターエスタシオンは、魔法でじわじわと二人の首を締めてきた。
「ぅぐっ…!」
「た…すけ…」
「待て!動くな全員!」
駆けつけて魔力の紐を上手いこと切ったのは、スメラギだ。
「お前だろう?モノトーン経由で魔力を奪い、この世界の絶対神となろうと思ったのは。」
「勘のいい不審者、私嫌いなんだよね〜。」
そう言うとシスターエスタシオンは、再び蝋台で今度はスメラギを刺そうとする。
『ドスッ!』
「その程度の素早さか?我は簡単に死なないぞ?」
スメラギはひらりひらり、とシスターエスタシオンの攻撃をかわす。
「アルダ、るるか!すぐ逃げるんだ!」
「いや…ボクたちはぁ…」
「二人の弔いの為にしすたあえすたしおんを倒すのじゃ!」
_____思わぬ事実、唐突の最終決戦。彼女達の運命は?
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