第4話 アローン・ザ・ファルス
_____アズールと白幕幻想がいつも通りチャペルに向かった時。
『カランコロン』
「お邪魔しますのじゃ…えすたあてとへるぷすとは先に来てるのかのう?」
「二人とも、先に行くなんてずるいヨォ…。」
しかし、そこには目を疑う光景があった。
_____
「…」
「…」
そこには、ソファに全く動かなくなったエスターテとヘルプストの姿が。
「寝てるの…カナァ?」
「あずうる、よく見てみるのじゃ…」
「明らか顔色もおかしいのじゃ。」
疲れて寝てる、のかな?と思ったアズールは、二人の体を揺する。
しかし、全く起きないどころか
明らか関節が変な方向に曲がり、ぐてっと倒れてしまったのだ。
_____
「ェ…まさか…」
「死んでる!?」
動揺を隠せないのは、アズールだけではなかった。
白幕幻想も いきなりのふたりの死に頭が真っ白になっている。
_____
「シスターエスタシオン!」
「その子たちね…頑張りすぎと魔力を使い果たした事で、天国に言っちゃったみたいなんだ…。」
明らか他人事のように話すその姿に呆れながらも、アズールはもう一つ、疑問を投げかけた。
「魔力のケアはしてあげたノォ…?」
「それか、私が見た時にはもう何もかも手遅れで、ケアしても起きなくって…」
「完全に死んでしまったみたいなんだ。」
それにしても今日のシスター、随分と目が泳いでいた。
_____
「ねぇ、起きてヨォ!ボクたち四人でチームでしょ!?」
「頼むから目を覚ますのじゃ、えすたあてとへるぷすと!」
しかし、返事は全くない。
「…モノトーンに…殺られちゃったノォ…?」
「そうみたい…私がいくらケアしても、魔力は戻らなかったの。」
_____
「…まさか、あの時のスメラギってやつが言ってた本当の絶望って…」
「この事ォ!?」
そう言い、アズールはスメラギに事情を聞こうと呼び出す。
「やぁ…遂に知ってしまったようだ、ね。」
スメラギは済ました顔で、二人の死体をチャペル裏の墓場まで持ってゆく。
_____
「なんで…なんで……」
「ヴァアアアアアアッ!」
突然の仲間の死に、アズールは涙が止まらなくなり、ただひたすら号泣することしかできなかった。
「お主が殺したんじゃないのかえ?」
「違うさ。我は忠告をしただけだから、な。」
スメラギは悲しい顔をしていた。二人はそんな気がした。
_____
「……」
「とりあえず、生き残ったボクたちでこれからモノトーン退治しよう。」
「そう…じゃのぅ…。」
まさか二人も一度に殺られてしまうとは。
一体誰がこんなことをしたのか?
そんなことで頭がいっぱいになってきた。
_____
「…モノトーンの数も、減ったヨネェ…。」
「色々なことが一度にありすぎて、脳の処理が追いつかないのじゃ…。」
_____夏と秋を、殺したのはだぁれ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます