第11話 友情の絆は、
その後、この旅館が何事も無かったようには行かなかったと言う事は言うまでもないだろう。
だが、少女達の
帰りのセブンティーンの車内は、ルミネが助手席に座り、フィオがルミネの膝の上に乗って寝息を立てており、後部座席にはコルネールが座っていた。
「コルネール」とは旅館で襲って来た
少女は長ったらしい
ちなみにコルネールの容姿はルミネに任せて
蒼い長髪に
そして、その姿を見た少女は「こーゆーのが、タイプなんだ?」とルミネの事を
コルネールも
拠ってマテリアル体をベースとするよりは、より隠密性能を上げる為に、アストラル体をベースとするように仕様が変更されていった。
「その方が食費も掛からないしねッ」少女はその事についてそう呟いていたが、それは余談である。
セブンティーンは重低音を掻き鳴らしながら屋敷の敷地へと入って行った。
一方で屋敷の中にいたレミは、
「おかえりなさいませ、お嬢様」 / 「お帰りなさいませ、マスター」 / 「お帰りなさい、お嬢様ー」
いつもと変わらない出迎えが
爺はコルネールの姿を見た時に眉尻をピクッと上げていた。少女は「二度あることは三度あるかもしれない」と思っていた事もあり、「コイツはアタシの
ちなみに余談ながら少女は、「アタシの大事なサラとレミを誘惑したら承知しないからねッ」と予めコルネールに釘を刺しており、二人が
「爺、帰って来て早々悪いんだけど、これからマムの所に報告しに行って、そのままルミネを送り届けるから、その前にセブンティーンに乗ってるアタシの荷物を引き上げておいて貰えるかしら?」
「畏まりました、お嬢様」
三人は屋敷に帰って来てから広間へと行き、束の間の休息を取っていた。拠って三人の前には紅茶が出されている。
だが、これと言って特に何かしらの話しや相談がある訳では無い。ただ、一息付きたかっただけだ。
だから少女は爺にこれからの事と荷物の件を伝えると、爺は粛々と作業に移って行った。
「それじゃあ、ルミネ、コルネール、行きましょッ!フィオはどうする?来る?」
「フィオはお留守番してる~。ふわあぁぁぁ」
こうして三人は再びセブンティーンに乗り組むと、低いエグゾーストノートを奏でながら屋敷を後にして行った。
「にゃにゃ?今日はフィオはいにゃいの?」
「えぇ、屋敷でお留守番してるって言ってたわ」
ここは公安の受け付け。そこの自称看板娘のミトラは少しだけ残念そうな顔をしていた。
「あれ?そちらの方は誰にゃん?」
「あッ?!」
ミトラは少女とルミネの後ろに立つ、長身で中性的な男に目を奪われてしまった様子だった。
そして、そんなミトラの目はハートマークになっていた。
べしッ
「マスター……一体何を?!」
「至る所で
「なんとッ?!それは厄介ですね……意識して
コルネールは不服そうな面持ちで呟いていた。そして、目がハートマークになっているミトラは、コルネールに近寄りたがっている様子だったが、これ以上厄介なコトになっても困るだけなので、ミトラには少しだけ眠ってもらう事にしたのだった。
「こんこん」と、流石に決して軽快とは言えない音を響かせノック音が鳴っていく。
そんなノックの音から響いて来ている色は「緊張」であり、その音を響かせた者を想像しつつも、マムは目を通していた書類から目を離す事無く「入っておいで」といつも通りの声高なしゃがれ声を掛けていった。
「や、やぁ……マム。
「ッ?!はあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
少女はマムの部屋に入って来るなり、マムを
「また、今回も随分と変なのを連れて来たねぇ」
「えへへへへ。やっぱり分かっちゃうかぁ……」
「また戸籍を作れとか、ハンター試験を受けさせろとか言わないでおくれよ?あたしゃ、厄介事はコリゴリだからね」
「だ、大丈夫よ、コイツはコルネール。コルネールはアタシの
少女が紡いだのは暴論と言える。まぁ、当然の事ではあるのだが、それはマムからの先制攻撃を受け流す結果となっていた。
「で?それじゃあ、今日はその変なのを見せびらかす以外に何をしに来たってのさ?」
マムは口角を上げながら、不敵な笑みを浮かべて三人を見据えていた。
少女は今回の
「なるほどねぇ、
「
マムの話し振りはまるで
一方のルミネは疑問に思った事を口走っていたが、そこには誰も触れてくれなかったと言える。
動物の細胞には免疫機構があり、その機構が自分以外の他者の細胞を排除しようとするからである。その為、同種族他種族含め全ての細胞の
——だが、その
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