第21話 学園生活

ここに来て1週間が経過して2人部屋(メイド付き)にも結構慣れて楽しくやっている。

飯は美味いし、勉強の設備も内容もしっかりとしている。実力制度の学校のため優秀な者しか居ないから真面目に授業を取り組む事が出来る、はずだったのに…


『分かりますよ。人に話しかけるのって勇気いりますもんね。』

(いやお前!私が話しかけられないのをインキャみたいに言うなよ!)

『だってそう言うつもりで言ってますもん。』

(うぐっ、そんなに言わないでも良いじゃん)


私が黙々と(喧嘩中に)学食を食べていると隣にある男が現れた。


「やぁ、麗しい美女よ。今日もお隣失礼しても良いかな?キラッ!」

『あちゃーこれは…』

「あ、無理ですー!と言うか毎日お隣してませんよねー?どうぞお帰りしやがれー」

「ふふ、照れなくても良いんだよ!まぁ、僕の美貌に見惚れちゃうのは当たり前なんだからね!キラッ!」


私は最近このナルシスト系貴族に付き纏われている。しかも名前はクール、舐めてるとしか思えない。

はっきり言って勉学の邪魔だし害悪だから退学にしてやりたいけど、一応こいつのお父さんは国の重役だし悪い事も一切してない真面目な人らしいから中々そう言う処置がしづらいらしい。


「レスタの隣に座りずらい、どけ。」

「あぁ、だが僕は諦めない!また明日ここで会おう!」


私が中々追い返せない時は観念して化けの皮を剥がしたリアナに追い返してもらっているが本当に厄介な奴だ。


「正直言って邪魔だよね、あいつ。でも頭は賢いから学校側も追い出しにくいんだよねー」

「顔も結構イケメンなのにあの性格のせいで女子に嫌われてんのなんか勿体無いって思っちゃうなー」

「ま、裏でいじめとかも受けてるらしいし?自業自得ってやつよ。なんかウザいことされたら相談しなよ?あんなのとかけちょんけちょんにしてあげるから。」


やはり持つべきは友達だとしみじみ思わされる。

7時間の授業が終わると私は学校が終わると学生ではなく教皇としての仕事のため、寮には向かわずある所に向かっていた。


「ようこそおいでに。ささ、ここにお座りください。」


そう言うのは現帝国国王オーラス・シルト3世

そして神代教の現教皇でもある人物だ。

昔あの2人と会う前に冒険者をしていた頃に国から脱走してきて無理矢理私とパーティーに組んできた馬鹿家出王子の末裔らしく、私の正体はチャペラが伝えてくれているらしい。


「私の先祖を助けて頂いたことありがたく存じます。それに、権力に取り憑かれた腐った血に取り憑かれた貴族たちを追い出して下さったことも。なんとお礼を言ったら良いのやら。」

「いやいや、それは私の部下のした事ですのでお気になさらず。

それより問題は世界での魔術が衰退を始めている事です。魔法は比較的簡単に科学を進化させる鍵でもある。それを今失うのはあまりにも痛手なのですが…」

「ええ、実は大天使様が五百年前と同じ様に5年前に消えてしまった影響でこの世界で生きていた人間の魔力量や力が半減してしまったのです。かつてはこれと同時期に魔王が生まれましたし現在も帝国を上げて警戒しています!」

「え?」

『え?』

(いや、お前はえ?じゃねぇよ!5年前ってお前が私に宿った時じゃん!今やばい原因お前じゃねぇかよ!)

『嘘でしょ!私にそんな力あったなんて!』

(なんで知らないの!ねぇ本当にお前のせいで大変なんだよ!?)


私が怒っている様子を見て王は慌てるように捲し立てた。


「で、ですが、神は100年程度すれば元に戻る魔術災害だとして全世界の人間に天啓をもたらした事でより一層神代教の結束も深まったと言えるでしょう。」

「ええ、それなら良かったですが…第二の問題として法の脆弱性も問題だと思いましてね。いくつかの考えてきたものがありまして。法家などと話し合って最終的に決めてほしいです」


私はその法案の書かれた紙を王に渡し、それを黙々と読んでいく。


「素晴らしいですね。これで実力のあるもののみが国を導いていく帝国が完成される。。」

「私が別世界で暮らしていた頃の国の法案を参考に作ったものです。これらは法の中でも特に重要視される憲法、と言う位置付けになります。如何ですか?」

「決まりです。他にも幾つか足した上でこれを法、いや憲法として全国に知らしめましょう。」


そして号外により広められた新たな法に民は湧いた。


・国教を神代教に定め、その国民達は神代教の信者としてその掟に従事する。

・位は完全実力制であり、その者の実力によって血筋は教皇の位のみを除いた12階全ての位に平民の血筋からでも着く事を可能とする。

・12階は紫、青、赤、黄、白、黒のそれぞれ6色で2つづつ分けた12個の階級にわけ、その最高位は大貴族として保有資産上限は無制限となる。

・政治は教皇を中心とした60人60人で分けられた2つの議院で国民からの意見を元にそれらを審議、実行する事とする。

・個人の技術の独占はその者が5年以上保持、又はそれらの技術での利益が300金貨を超えた場合にその独占権利は無くなり、それらの技術の報告書を国に提出するものとする。

・戦争、種族間の争いなどを解決する方法としての使用を未来永劫禁ず。

・国民は皆等しく平等の権利を持ち、自由に生きる権利を有しそれを他人に侵害されない。

・奴隷の身分や契約はこの法の配布された瞬間から無効とされ、今後一切の全ての生物が奴隷になるなる事を禁じ、生物の従事、金銭の立て替えを目的とした命令や金銭の使用を禁ずる。

・これら7つの法を無くすことを禁じ、必要に応じた場合に新たな法を生み、又それらを無くす事を可能とする。


それに加えていくつかの法案も課された。


・農民などは田の面積に応じた税を納め、不作の場合には税を軽減する。

・学校では魔道士までの魔術の勉強を義務として行い、それ以上の技術の獲得を行える者は国に申請し学ぶ事とする。

・稼ぎが1年で銀貨10枚以下の人間としての生活が不足している場合は国から支給として食料品などの支援が行われる事とする。

・貴族などの保有資産は年に数回不定期に美術品などを含めた総額で決済され、12階の位に応じた保有限界を超えた場合それを押収しそれを国庫に収める、又は国民の寄付に使うとする。それらを故意に偽ったと断定された場合は全権利と資産の剥奪、国への一切の入国を禁ずるものとする。



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