第18話波乱の学園生活の始まり
あの日から2週間が経過した。
それまでの間に今の常識などを必要最低限学び、遂に学園に入学する事になった。
しかし、今から5歳の勉強をした所で意味はないのでフードを被った状態の年齢である17歳の学年に通う事となった。
「まぁ、自分は強いとか思っている自意識過剰な者も結構多いのでこの際叩きのめしてください。」
「一応その人たち貴方の学園の生徒なんですけどね。ま、しょうもないことしてるやつでもいたら叩きのめしときますよ。」
「そう言いますがこの帝国大学は貴方が作った学び舎ですよ?」
うぐっ、返す言葉もない。
でも私の服装を見たら変な目で見られるだろうなー。
急に来た転校生が黒いフードをかぶったやつとか普通に考えてやばいやつだし。
校長のヘルさんの後ろをついて行きながら廊下を歩いているとやっぱりこっちを見てくる。貴族達は早速コソコソ話を始めてくるし本当に嫌だわ。
「さ、これからはここの寮に泊まってもらうんですけど調整が間に合わず2人部屋でして...まぁ頑張って仲良くなってくだされば問題はありませんから!」
「おい、問題おおありだ!インキャの私が2人部屋なんて聞いてないし無理だって。」
「逆に貴方に言ったら嫌がられることは目に見えていましたので。それに貴方もその子に会ったら態度を変えてくれるはずですよ?
ま、学園生活頑張ってくださいー」
そのまま部屋に押し込まれると強制的に鍵をかけられたので諦めて荷物を片付ける事にした。色々持ってきたものを整理しているとキィと音を立てて扉が開いた。どうやら同じ部屋の人が帰ってきたらしい。
しかし入ってきた女子に少し違和感を感じた。彼女の身なりがみすぼらしすぎる。
明らかに貴族の物ではなく、平民でもかなり下の人間が着るような服だった。
しかしこんな大貴族の集まるこんな超豪華な寮に来れるほど金があるとは思えない。
彼女は二つ結びのおさげにメガネをかけ、私を見るや否やすぐに目を逸らして下に俯いた。結構私と似たタイプなのかな?
だがしかし彼女の顔が見えた瞬間ある事に気づいた瞬間に彼女を押さえ込んだ。
「あなた、名前は知らないがなぜ身分を偽る、身分の偽証は重罪だぞ?どんなつもりでそんなことをしているかは知らないけど。」
「え、いえ私はそこらの農家の生まれですので。」
「嘘をつくな。そんな嘘ついたってすぐにばれる。あなた、勇者ハーリアスの子孫でしょう?」
「…何故わかったんですか?」
結んでいた髪をとき、メガネを外したその姿は彼が死んだ後に生まれた娘とそっくりな顔をしていた。
大人しそうな感じ(インキャっぽい)から一変して気の強そうな雰囲気になっていた。
「それは簡単よ。私は剣神の血筋だから、貴方のような顔ばかり生まれてくる勇者の子孫の貴方達を見破るのは簡単よ。」
「ふーん、そうなんだ。別にどうでも良いけど。」
彼女は瞬間、私に雷魔法を撃ってきたがそれを難なく消す。
「おぉ、良い反応速度だね。もしかして本当に剣神の子孫なの?」
「だからそう言ってるでしょ。ま、信じなくても校長が私の事をきちんと証明してくれるから。」
『まぁ確かに剣神本人ですからまぁ嘘じゃないですけど、結構屁理屈じゃないですか?』
(そう、嘘は付いてない!別にちょっと勘違いされそうな言い方をしてるけど別に嘘はついてないし。)
彼女はこちらをジロジロと覗き込むように見てきた。その時に青色と金色のオッドアイの瞳が微かに光ったのが見えた。
「その目、魔眼なのか。」
「ええ、それぞれ別の魔眼だということは分かっているんだけどこっちの予見眼しか使えないの。」
『凄いこの子、予見眼に操作眼を持っているなんて。時代が違えばこの子が勇者になっていたかもしれないくらいですよ。』
(その操作眼の力はそんなに凄いの?)
『要するに予見眼で今から起こる未来を見て操作眼でそれを過去の行いを変えて自分の好きなように修正出来るんですよ。』
(え、そんなの最強じゃん。)
『だから凄いんですよ。でも反動が強すぎるので前後で合計10分間までの書き換えしかできなかったはずですよ?ま、この子は早めに仲間にしたほうが良いんじゃ無いんですか?』
彼女を見るが筋肉も程よくついてるし、魔術も杖を持っている。元々天才の一族の中でもトップクラスの才能なんだろうな。
この力に剣や魔法まで使えると考えたら凄い優秀な人材だな。
「ねぇねぇ、私貴方と戦ってみたいわ。決闘してみない?どっちが強いか勝負してみたいわ。」
「どんなルール?めんどくさかったらやらないから。ま、私に勝てる訳ないしやめといた方がいいと思うけどね。」
「逆だよ?貴方は私と戦っても絶対勝てない、どう足掻いても。
でももしも貴方が勝ったら私は貴方になんでもしてあげるわ。金でも権力でも国だってあげる。
でも逆に私が勝ったら貴方は私の仲間になるの。どう?」
「結構な自信だけどそんなこと言ってたら足元掬われるよ?まぁ良いわ、貴方のそんな決闘にのってあげるわ。」
そう言いながら彼女は魔法陣用の札を取り出して決闘する際の模様を手に書き始めた。
「これは契約よ?」
契約が履行され光る模様を見ながら彼女は笑った。それを見て私も笑い返した。どんな顔で踊ってくれるか楽しみだ。
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