第17話 国の方針について

私達はその後新たな国の体制を作るに当たってのルールを作った。


・国教を神代教に定め、その国民達は神代教の信者としてその掟に従事する。

・位は完全実力制であり、その者の実力によって血筋は教皇の位のみを除いた全ての位に平民の血筋からでも着く事を可能とする。

・政治は教皇を中心とした60人60人で分けられた2つの議院で国民からの民意を元にそれらを実行する事とする。

・個人の技術の独占はその者が5年以上保持、又はそれらの技術での利益が300金貨を超えた場合にその独占権利は無くなり、それらの技術の報告書を国に提出するものとする。

・核兵器の保有を未来永劫禁ず。

・戦争、種族間の争いなどを未来永劫禁ず。

・これら6つの法を無くすことを禁じ、必要に応じた場合に新たな法を生み、又それらを無くす事を可能とする。


日本とかのうろ覚えの法律とか政治のやり方をパクりながらやったが結構良い感じにできたんじゃないか?


「素晴らしい立法の数々。感服いたします。」

「まぁ実際はもっと増えたり、犯罪とかについてもしっかり定めないといけないから大変だけどね。とりあえずは今ある神代教の帝国の法律にこれを追加しよう。」

「了解致しました。」


彼らは音もなく跪いた姿勢から姿を一瞬で消した。おそらく瞬間移動が出来る魔道具でも使ったのだろう。


「しかしこれだけの事を瞬時に思いつくとは素晴らしいですね。」

「いや、これは最初に住んでいた世界であった法律とか制度を少し変えてるだけだから。」

「ならばそれだけ法による統治が行われていたその国はとても平和な国だったんですね!

「まぁそれでも犯罪は抑えられてなかったし色々大変そうだったけどね。」


私は玉座を降りて馬車へと向かう。


「このまま私は3年間学園で過ごす。チャペラ、いつもお前には悪いが私がこの世界に帰ってきたと言う噂でも流してくれ。後、帝国は要らない貴族どもの汚れた資産を全て洗いざらい吐き出させてそいつらの金は子供達の教育費と難民の支援にでも使え。」

「了解です。じゃあ、頑張りますから昔のように頭を撫でてくださいよ。」


ふっ、と笑ってしまった。昔、両親を失い難民だった彼女と出会って間もない頃はそれを慰める時によく頭を撫でてあげていたから。まだ覚えていたんだな。


「ずっと私なんかについてきてくれてありがとう。これからもよろしく頼むよ。」


私は彼女の頭を優しく撫でてあげる。彼女の顔はそれはそれは嬉しそうな顔で笑っていた。


その顔は、まるで…



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