第3話人って100歳ぐらいが限度なのになんで生きとんねん


私の名前はチャペラ。


約300年前に神代教の教祖様に仕えていたチャペルのリーダー

今でも鮮明に覚えている。あの方が亡くなられたあの日。

研究室にて燃やせと言われたもののノートと中から肉体を死の寸前で冷凍させ、長きに渡る生存を可能にする技術や一撃で何万人も殺せる爆撃技術などについての資料を発見した。


しかも、神の御告げであのお方は300年後にこの世に再降臨される事が判明した。

私達はあの方が帰って来られた際、また教皇の座に戻っていただくまで生きなければと言いつけを破りコールドスリープと呼ばれる機構を開発したのだった。


そして300年が過ぎ、長きに渡る眠りから覚めたそこはまさに地獄の様な場所だった。

彼が解いた教えや平和は何処かに消え、教会の上層部は既に金と権力目当てのゲスどもに成り代わっていたのだ。

それでも私達チャペルはそんな奴らを排除し、彼の期間を待ち続けようやくそれらしき赤子の情報が今入ったのです。

産まれて10日前後の赤子が光魔法を使ったと。神に愛された者のみ使える光魔術を赤子で使う?そんな人離れした事を出来るのはあのお方か勇者しかいない。


「今迎えに行きますからね。教皇様。」


ここからだと10日程度はかかるが300年の月日と比べれば短いものだ。

あぁ!ようやくあの方に!またお会いできる...



んーなんか嫌な予感がするなぁ。

多分僕の配下のチャペラと同一人物として見て良いんだろうけどさ。

不老不死にでもなれる魔術でも開発されたのか?

というか教皇の僕はあそこで終わったんだから普通に科学の発展をお手伝いしながらのんびりとした生活をしたいんだけどな。


指に魔力を込めて今度はガスコンロをイメージする。魔力を燃料にして、点火!

うっ、目がぁ、目がぁ!赤子だとこの点火の光は目にダメージが来るな。

だが、上手くいった。

指先には小さな火がユラユラと灯っている。


「まぁ!貴方この子火の魔法もできてるわよ!?」

「なんと!将来は神託の冒険者にでもなれるんじゃないか!?」


おうおう、両親お揃いで大喜びだねぇ。

でも普通に考えて首も据わってない赤子が急に喋り出した様なもんだからな。

そう考えたらなかなかえげつない事してるな。

と言うか神託の冒険者って何だ?

300年前にはそんなの聞いた事なかったけどなんだろ?

んーしかしこの両親の体格だと剣技とかは昔ほどはできないかなー?

ちょっと残念だな。

まぁ、まずはテレパシーもどきを出来る様にならないと会話も成り立たんし。

後10日でやったるで!


『おー!』


え?


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