2022/12/19 部活

 俺と美羽は同じ部活に入っていた。

 入ったのは文芸部。

 テスト開けで再開した文芸部。

 よく分からないが、小説を書けるし、読めるし、で俺にとっては嬉しい部活だ。

 俺がWEB小説を書いていると、その隣に座る美羽。

 美羽はラノベを読みながら、身を寄せてくる。

「いや、他の部員もいるんだが……」

「ん。気にしない」

 後ろから刺すような視線が痛いんですけどね!

 佐藤さとう鈴木すずき大五郎だいごろう

 みんな俺を殺す目で見ているじゃないか。

 嫌だな。

 怖いな。

 その恐怖心を小説に落とし込んでいく。

「ん。読み終わった。次」

 美羽は俺のラノベを読み終えると、次のラノベを要求してくる。

 俺は鞄からラノベを取り出すと、美羽に渡す。

「ほらよ」

「ありがと」


「なんか、砂糖吐きそう」

 佐藤が何か言っているが、気にしない。

「あれって何万だせばついてくるオプション?」

 金にめざとい佐々木が口を開くけど、気にしてはいけない。

「オッス! おら大五郎!」

 いやなんのアピールだよ。

 俺は冷や汗を掻きながら、美羽を見やる。

 黒髪ロング。黒い瞳。完璧美少女。

 本を読む、その所作も美しい。可愛い。

 素敵な彼女だ。

「ん? ニマニマにしてなに?」

 俺を見やる美羽。

「あ。や、可愛いなーって……」

「もう。こんなときになによ」

 美羽は少し頬を緩め、読書に没頭する。

 こんな時間もいいなー。

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