2022/12/15 バイト
「こっちいいですか?」
「はい。少々お待ちください」
俺はお客さんに言うと、慌てて片付けを止めて、お客さんのもとに行く。
「ご注文決まりましたか?」
「ええと。このチーズケーキとコーヒー、それに季節限定パフェとカフェオレを」
「チーズケーキとコーヒーは、ケーキセットになるとお安くなりますよ?」
「あ。そうなんですね。じゃあケーキセットを」
「はい。それではケーキセットのコーヒーと季節限定パフェ、カフェオレですね。少々お待ちください」
俺は厨房に向かうと、声を張り上げる。
「ケーセットのコーヒー、季節パフェと、カフェオレ一つずつ!」
そう言って伝票を引っかける。
「オーダー入りました」
厨房の武雄がそう言うと、俺は再びホールに戻る。
先ほど片付けていた席を綺麗にする。
アルコール消毒も済ませると、新たに客がやってくる。
「いらっしゃいませー!」
「やっているね。大輝」
「なんだ。美羽か。それに飯田さんも」
「やっほー。大輝くんと武雄の頑張りを見に来たよ」
「こちらが空いたので」
俺は二人席に案内すると、美羽と飯田の注文を
「二人が来ているって?」
厨房の武雄が驚いたような顔で応じる。
二人にケーキセットを差し出す。
「大輝、スマイル一つ」
「当店では受け付けておりません」
ピシッと言い放つ俺。
「ねぇ、武雄は?」
「ん。ああ。時間ができたら来ると思うぞ」
飯田はどこまでも武雄だな。
良かったな、武雄。
「そんなことよりも、わたしを見てよ」
甘えた声で俺の腕に絡みつく美羽。
「あ。わりぃ。バイト中だから」
「もう。バイトやめればいいのに」
美羽は頬を膨らませて文句を言い出す。
「今度のデート代、俺が払おうと思うのにな」
「あー。今のなしなし。バイト頑張って♡」
「素直でよろしい」
俺は美羽の頭を撫でて厨房に向かう。
このあと、武雄と交代し、飯田のもとに行かせた。
うまく行っているようで何より。
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