F-1 Birthdayの誓い ……の裏

◎エピソードタイトルの元ネタ


 まずは最終章タイトル『この恋に仁義の花道を』ですが、こちらは『仮面ライダーW』最終話のタイトル『この街に正義の花束を』から来ています。めっちゃいいサブタイトルだな~と見た瞬間から惚れていたのが原典なので、カレママでもとっておきの位置で引用できるよう仕込んでいました。


 そしてF-1は『仮面ライダーエグゼイド』のサブタイトルのフォーマットより。3-7『Birthdayの真実』と揃っています。



◎エピソードの狙い


 最終章の3本は、カレママで描いてきた関係性を1個ずつ総括するような構成になっています。まずは義花と咲子の、実穂を巡る想いから。

 義花と咲子の関係性も、義花の将来の目標も、実穂という喪失を抜きには語れません。その犠牲を軽んじることなく、しかし実穂が出産を選んだことも否定せず――というバランスを確かめるような、墓前での二人の報告でした。


 どんな背景があれ。「じゃあ、あたしを産もうとしたのは間違いだったのでは」と義花が考えるのは、やっぱり哀しすぎると思うのです。だから、誰もそんな葛藤を抱えなくて済むように人生を懸けることで、義花は葛藤に決着をつけました。


 そして本作は咲子にとっては、実穂への執着に区切りをつける物語でもありました。一つの百合が引き裂かれた後でしか咲かなかったもう一つの百合、という構図を再確認するようなシーンでした。

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