回想⑤ 愛した数だけ強くなれる / 津嶋 岳志 ……の裏
◎エピソードタイトルの元ネタ
「○○数だけ強くなれる」は色々な曲で見かけますが、イメージしていたのは『爆竜戦隊アバレンジャー』OPの歌詞からです。津嶋親子らしく、熱い曲から。
◎エピソードの狙い
岳志がすんなり離婚を承諾した心理的背景について。
彼にとって最も大事になったのは仁輔の存在であり、咲子に感じているのは妻への愛というより「息子の母」への恩義である……という話です。百合を成立させるためには父と息子の男くさい絆が必要だった、という構図も本作の面白みだと思うんですよね。
僕の作風(というか癖)として、夫婦という形の相対化があります。一番スタンダードとされている関係性を円満に終わらせないことで、相対的に同性カップルと扱いを近づける……という意味合いもあると言えるかも。
まあ、そもそもカップルというものにあまり夢を持っていないので自分から一番遠い百合カプを――ごほんごほん。
……はい。
ともかく。津嶋夫婦の関係性は、小説書きとしては結構好きだったりします。すれ違い続けた関係性の破壊と再構築、義花&仁輔と並行してこの夫婦でも行われていました。
仁輔&岳志のやり取りをあまり描けなかったのが心残りではあるのですが……ぶっきらぼうに見えた岳志が幼い仁輔を溺愛していたことだったり、とはいえ自衛隊以外の進路でも応援していたことだったり、仁輔の聞いていない岳志の胸中だからこそ濃く伝わったかなと思います。
仁輔&義花の親たちへの愛情がペルソナイトの二次創作として表現されるのはプロットの後半になって思いついたのですが、ヒーロー要素を推してきて良かった~と思える描写でした。この頃の憧れが形を変えて今に至る。
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