5-6 問い直すんだ、この恋を誇る権利 ……の裏
◎エピソードタイトルの元ネタ
UNISON SQUARE GAREDNの楽曲『kaleido proud fiesta』の歌詞より。執筆中にずっと頭で流れていた曲ですね……この曲以外にもUSGの『オリオンをなぞる』『リニアブルーを聴きながら』といった曲の歌詞を本文にサンプリングしています。ロマンチックとシニカルのブレンドが大好き。
◎エピソードの狙い
紬実との対話を経て決意を固めた義花による、咲子の説得回。
そして、咲子が初めて義花に、実穂と義花を巡る本音を打ち明ける回でもあります。
義花は咲子にとって、初恋のバッドエンドの象徴でもあります。ずっと好きだった実穂が、自分ではない男性と結婚したことで生まれた子供。そして、実穂が命を落としてしまう出産で生まれた子供。故に、実穂の代わりとしてこの上なく相応しくなってしまう。
代償であることは咲子自身にも義花にも分かっているし、子を親の代わりと思うのが歪んだ思考であることも二人とも分かっている。だから咲子は義花への感情が間違っていると判断し、それでも良いと義花は決める。
義花の方針は物語の中で何度も変わっていますが、大事な人たち(=九郷家・津嶋家・結華梨)が一番幸せになる道を選ぼうとしていることは変わっていません。咲子と自分が恋人として付き合うの道が、結果として津嶋家3人にとって良い未来になる――という推測が出来たからこそ、咲子の迷いにストレートな回答を返していく。
いざとなれば余所者からの評価を無視できる、目標に向けて筋道を立てて取り組んでいく、そうした義花の性格が存分に発揮された説得でした。
今回は「仁義なき戦い」というフレーズで締められていますが、これは当初キャッチコピーにも入れようかと考えていました。「仁義なき新時代GLストーリー」で韻も踏んで。最終的には熱血要素を優先させましたが、やはり「仁義」は大きなテーマです。
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