(RNシリーズネタバレ)5-5 前略、この街で紡がれる恋へ ……の裏
ここからの内容はRainbow Noiseシリーズ、特に『最愛なる小説家への恋文』(さいぶみ)のネタバレになるのですが、作者としては未読の方に知られてもいいかな……と考えているので書くことにしました。どうしても気になる方はお戻りください。
◎エピソードタイトルの元ネタ
RNシリーズの
◎過去の拙作の女性陣と、義花との関わり
『カレママ』の義花には、RNシリーズに登場した女性キャラの要素がミックスされている節があります。自然とそうなった、あるいは僕にとって書きやすい女性キャラが限られている……と言うべきですかね。
大事な男子との関係に悩むレズビアン、という点は
インテリな親に育てられた学力エリート、という点は
共同体に対する考え方や、テキパキとした物事の進め方は
そして基本的な外見や喋りの雰囲気は、紡こと
この二人は気が合うよな、という作者の遊びが全開になりました。教育支援ボランティアの一環として高校理科をラップで教え始める院生の紬実も、中一の段階でそれにディープなコメントを残していく義花も、変なところで張り切る子たちで大好きですね。
◎エピソードの狙い
そんな楽しい対面の後、カレママの物語を加速させる対話が交わされます。
プロットの構想中、義花が「津嶋家を引き裂いてでも咲子さんの恋人になろう」と思うきっかけがなかなか浮かんできませんでした。咲子の頼みに押し切られてというのも考えましたが、義花が巻き込まれた形になりがちで……そもそも市亀は略奪愛展開は苦手なんですよ、今さらながら。
一方で、RNのキャラたちを登場させる構想も進んでおり。その中で、義花を説得できる感情を持っているのは紬実だけでは……と気づき、この形になりました。
紬実は『さいぶみ』において、最愛の男性・飯田希和との死別を経験しています。希和に嫌われないこと、希和の大事なものを優先するあまり、直接会うことも恋心を伝えることもなく、永遠に会えなくなってしまいました。
いくら事情が難しかったとはいえ。「もっと早く好きと伝えれば、希和はもっと幸せを感じられたのでは」「彼が亡くなってしまうのは止められなかったとしても、生きている間に愛を伝えられたら良かった」という後悔は、紬実にとって振り切れるものではありません。あるいは、最初から自分が希和のそばにいたかったと願ったこともあるでしょう。
「君たちは。正しさとか優しさよりも、自分の幸せを目指したっていいんだよ。それで一緒に幸せになれる人がいるなら、それは優しい未来だって胸を張っていいんだよ」
紬実が義花に向けたこの言葉は、作者が希和たちに言いたかった言葉でもあります。
優しさを背負いすぎた末に死別してしまった少年少女を過去作で描いたからこそ、他者の正義を振り切ってでも生きている間の幸せを掴みにいく主人公を描きたかった。カレママはそんな物語でもあります。
ちなみに。紬実が信野市で母親になることを選んだ経緯は『さいぶみ』でもまだ描いていません(カレママ執筆段階では)
義花とは違う形で女性としての生き方を選んだ紬実の話も、早く書かねば……だからなんで未完結作品のアフターストーリーを別作品でやるんだよ僕……
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