4-11 箕輪結華梨について・後編
タイトルの元ネタは前回と同じなので省略。
◎エピソードの狙い
結華梨が仁輔に惚れたきっかけの回。
仁輔は自身のピュアな恋愛観・女性観によって苦しめられている……という話はこれまでも挙げてきましたが。そうした思想ゆえに、女性への(特に性的な)加害行動をひどく嫌っており、察知したならば体を盾にしてでも止めようと決めています。岳志から受け継いだ正義の心。
普段は穏やかな仁輔も必要となればいくらでも威圧的に振る舞える、なんなら暴力性をチラつかせる側面こそ彼の根っこでもあります。それが制御できず小学校時代は暴力沙汰を起こしていましたが(回想①参照)。
ただ仁輔は「睨んで凄む、いざとなれば組み伏せる」みたいなフィジカル寄りの対処に行きがちですし、敵として想定するのも基本は男性です。義花に対する他の女子からの精神的な加害は、そもそも察知できていなかったりします。義花には精神攻撃が全然効かないので、それで困りもしないのですが。
ともかく。そうした仁輔の行動原理は、結華梨が求めていた男子像そのものでした。「弱さの言い訳の優しさでもなく、振りかざすだけの強さでもなく」という形容が大きなポイントだと作者は思っています。男性的な強さを排した男子を多く描いてきたので、自作へのカウンターみたいな意味も込めて。
そして結華梨は、惚れてしまった仁輔を誘惑したり、義花を貶めるのではなく。仁輔の望みが叶うように動き続け、真実を知った際は捨て身で告白に踏み切れるのが格好いいなあと、作者は思っています。
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