4-10 箕輪結華梨について・前編 ……の裏

◎エピソードタイトルの元ネタ


 以前も元ネタとなった『やがて君になる』のスピンオフ『やがて君になる 佐伯沙弥香について』より。百合作品のサイドキャラ、という共通項もあります。



◎エピソードの狙い


 結華梨がいかに仁輔に惚れこむようになったかの回想です。

 彼女の世界観・人生観は義花と正反対。女の子らしく愛されることに喜びを見出す一方、その姿勢を押し出すことによるダメージも理解している。根本的に人と揉めることが嫌いなので、はっきりと恋愛に踏み出すこともしない。

 けどステイホーム期間の孤独には耐えられずに彼氏を「作り」、やがてコロナ禍の青春の歪みに囚われていく。


 恋愛・性愛でひどく傷つけられながらも、それを求めてしまう女性であること。あるいは、可愛さを理由に卑劣な仕打ちを受けながらも、可愛くあることを諦めない女性であること。それが結華梨の人物像です。

 愛情、というより性欲の負の側面を描くために、トラウマは軽くない事件にしました。中一でここまで性的に踏み込んだ経験をするの、僕の感覚では早すぎるのですが、分別がつかないゆえに深いところに踏み込んでしまうこともあるだろうと思うのです。


 そして義花との出会いも。

 義花が学校で浮いているからこそ、大勢が知っている盗撮の件も知らず、結華梨にとって安らげる間柄になる……という発想は気に入っています。ちょうどいい部外者というか、嫌な内部事情を知らない味方って気に入られやすいよな……というのは、女子メインの文化部にいた僕の経験でもあります。RNの希和も近いかな。

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