(RNシリーズのネタバレ)4-8 人の和をつなぐ希望。……の裏

 ここからの内容はRainbow Noiseシリーズ、特に『最愛なる小説家への恋文』のネタバレになるのですが、作者としては未読の方に知られてもいいかな……と考えているので書くことにしました。どうしても気になる方はお戻りください。







◎エピソードタイトルの元ネタ


 前回に続き、Rainbow Noiseシリーズの登場人物・希和まれかずからです。詩葉うたは陽向ひなた・希和の3人の名前の要素が入った一文になりますね。



◎エピソードの狙い


 義花の「母親にならなきゃ」という使命感に、Utano(詩葉)が別解を与える回です。詩葉が希和との出会いと別れを経て大人になった姿、それ自体が義花を導く先例になる。


 RNシリーズを読んでくださった方はご存知の通り。義花が仁輔に抱く「大事だけど恋人としては付き合えない」や「男との性愛は無理だけど母親にはなりたい(なるべきと考えている)」という感情は、詩葉が希和に抱いていたものと近いです。

 詩葉は希和と別の道を生きることを選んだ後も、希和が自分と関わる中で苦しんだことにずっと悩んできました。希和が事故で亡くなってしまったことで、その苦悩はさらに加速する。


 それでも詩葉は、かつて自分で選んだ道を曲げず、出産することなく女性カップルとして生きることを選んでいます。同時に、希和との経験を誰かの幸せにつなげようと発信している。母親にならない代わりに、こうして人を支えようとしています……という実例を義花に示します。その選択に伴う辛さも一緒に伝えたことで、義花にとっても説得力のある回答になります。

 詩葉は同時に、今の詩葉が実践しているような「自分にしか出来ないことへ本気で歩む」生き方へと、義花を導きもしました。義花が制限していた自分の可能性を広げる、発破をかける回でもあります。義花が等身大以上を目指そうと決めたきっかけが、今回のミセミセからの回答でした。


 僕は『カレママ』のキャラたちには、RNシリーズのキャラたちが果たせなかった「失恋からの再生」を成し遂げてもらおう……と思って書いています。4章以降はそうした思いが強まってきますね。


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