タスクで文章がおかしい文章が


 タスク:プロフィール生成など

 場違いにもほどがあるが、どんな結果になるのだろうか。

「私:主人公。語り手。少し頭がおかしい人」と出したりするのだろうか。



1.デフォルト

(私の小説はトンと評価されなくなった。評価されていたのに、あのコメントが出て以来だ。)


 あのときまで私の作品はそれなりに読まれて人気もあったはずなのに。

 もちろんあの人たちは何も悪くはない。彼らはただ単に、自分の書いたものを素直に伝えただけだし、それにたまたま私が気に食わなかっただけなのかもしれない。

 そもそも他人を批判すること自体間違っているのだ。他人のことをあれこれ言う資格など誰にもありゃしない。どんな人間にも発言する権利があるように、誰かを批判してはいけない理由がないからだ。


 でもやっぱり悔しかった。

 あんなこと言われなければこんなことにはならなかったはずだ。どうしてこうなったのか?

 一体誰が悪いのか?……ふむ、ひょっとすると犯人は分かったような気がするが……

 いや、もう考えるのをやめよう。終わったことだ。これからまた書き始めればいいじゃないか。さぁ筆を執れ!

 …………うん、まぁ分かってるよ。だけどね、今更書く気が起きないというかね……。


 ああ嫌だ嫌だ、嫌なものを思い出してしまった。せっ


・・・コメント・・・

 徹底的にヘコんでいる。他人を批判すること自体間違っているが、誰かを批判してはいけない理由はない(批判していい)らしい。

 でもやっぱり批判のせいでこんなことになって、犯人は分かったけど、終わったことだ、気にするな、でも嫌だなあ、トラウマまでぶり返すと、負のスパイラルに陥っている。




2.セリフ優先

(私の小説はトンと評価されなくなった。評価されていたのに、あのコメントが出て以来だ。)


「小説家になろう」ではランキング上位になっている作品でも書籍化されていないものも多くあるし、そういう作品は読んでみても大体面白くなかったので、読むのをやめてしまった。


 こういうことも起こるのかと思った。ただそれだけのことだった。もちろん私には関係ないことなので、どうしようもなかった。


 それからしばらくするとまた新しい

「文章がおかしい文章が」

というコメントが来た。今回は三ヶ月くらい前のものだろうか?

 ただ単に前回よりも前のものだっただけかもしれないけど、とにかく内容はほとんど一緒の内容だった。

 相変わらず意味不明だったが、もう気にしないことにした。別に読まれるかどうかの問題ではないからだ。


 私が好きな作家さんや

「小説家になろう」でよく見かける方々の作品は面白いものが多くて、とても参考になった。あとになって思えば、この方達はきっとみんなプロなんだよなぁと思うことが多くなった。

 彼らは恐らく小説を書くことが好きで好きで仕方がないのだと思う。そして、だからこそ、自分の作品に自信を持っているのではないかと思われる節がある


・・・コメント・・・

 某Web小説サイトの話が出てきた。おまけにしれっととんでもない爆弾発言を飛ばしてるような。

 時系列もメチャクチャではある。あと自分のお気に入りの作家は贔屓するタイプらしい。




3.地の文優先

(私の小説はトンと評価されなくなった。評価されていたのに、あのコメントが出て以来だ。)


 そして、ある日突然、私への応援メッセージが届いた。

 内容はこうである。


 あなたの書く文章はとても面白いです!

 あなたの作品は絶対に面白くなりますよ!!


 このメッセージをもらった瞬間、嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちになった。そもそも私の書いたものなど誰も読んでいないはずだと思ったからだ。

 もし読んでいたとしたなら、どうして今頃になってこんなことを言い出したのか不思議でしょうがなかった。

 まさかとは思ったが、念のため確認することにした。

 すると驚いたことに、あの時送った一ヶ月前の文面がそのまま送られてきていたのだ……!!!


 つまり、私が送ったものはちゃんと届いているということらしい。しかも、わざわざそれをお世辞でもなんでもなく褒めてくれた。

 嬉しかった。これこそまさに天にも昇る心地であった。


 それからというもの、読者さんの数が増えたり減ったりと波はあったが、概ね順調に伸びていった。

 もうあれだけ悩んでいたことが嘘のように消えて行った。そして、いつの間にか


・・・コメント・・・

 おかしい文章に対してファンが誕生していた。

 ただ「一ヶ月前の文面」って「文章がおかしい文章が」なんだよなあ……あれなのだろうか、シュールストレミングが好きみたいな……クセそのものが好きな人なのだろうか。

 作品は順調に伸びていったらしい。

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