スローペースで文章がおかしい文章が


 スローペース:話がそれにくい

 他のパターンと比べて展開の飛躍が乏しいように見える。永遠と生産性のない似たような流れが続いている。

 こちらが意図したものに近いかもしれない。


1.デフォルト

(私の小説はトンと評価されなくなった。評価されていたのに、あのコメントが出て以来だ。)


 一体全体、あの一ヶ月の間に何があったのか?


 私にはさっぱり分からなかったが、とにかくそういうことが起きたことは確かである。

 ただ、あれだけ大量に送っていた人が急にいなくなったということは、何かしら理由があるはずだ。そう思って彼らの書いた作品を読み直しているうちに気がついたことがあった。


 彼らは皆一様に同じような文面を延々と書き連ねているだけだった。

 つまり、彼らが「文章がおかしい」「文章がおかしい」とコメントしていたものは、実はどれもこれも大したことがなく、むしろ下手くそな部類に入るものだったということである。

 では、どうして彼らはあんなにもしつこく繰り返して似たようなことを言ってきたのだろうか?


 恐らく、それが彼らにできる精一杯の表現方法であり、また表現力の限界でもあったのではないだろうか?

 それに気付いた時、私は自分の作品を見直した。すると確かに、文章としてはおかしなところがいくつかあったものの、決して拙いとまでは言えない程度のものであったことに気が付いた。


・・・コメント・・・

「皆一様に同じような文面を延々と書き連ねているだけだった」。清々しいブーメランである。

 全体的な雰囲気は結構本編に近いな。自分が悪いとは言わないところとか、相手を自然に見下しているところとか。

 スローペースは「展開をゆっくりにする」ような書き方になっているようで、本編の書き方(意図的に同じ文章や展開を反復させている)と似たものを感じる。




2.セリフ優先

(私の小説はトンと評価されなくなった。評価されていたのに、あのコメントが出て以来だ。)


「文章がおかしい文章が」というのは一体どういうことなのだろうか? 私にはさっぱり分からなかったが、とにかくそういうものらしい。私のように全く理解出来ない人もいるし、逆に分かる人もいるようだ。

 そして、ある日突然分かった。あれはただ単に「文章がおかしい」と言っているのではなく

「お前の小説はおかしい」と言ってるのだ。


 つまり、あの時私が送った「文章がおかしい文章が」という言葉を彼らは「お前の作品はおかしい」と言いたかったのではないかと思う。おそらくそうだ。そうに違いない。なぜならば、彼らが送ってきた他の作品と比べてみても明らかに私の作品はおかしかったからだ


「文章がおかしい文章が」とは「お前の作品おかしいぞ」という意味であり、それを丁寧に言い直したのが先程の例文である。

 だからといって、何かが変わるわけではない。相変わらず私の作品は読まれないし、感想やレビューが来ることもない。それに変わりはない。


 ただ一つだけ変わったことがあるとすれば、それは


・・・コメント・・・

 自分のおかしさを受け入れている。展開は冗長気味である。

「文章がおかしい=作品(小説)がおかしい」という読み替えが3回登場している。

 この一節(およそ400文字)かけて書かれた情報は「作品がおかしい」ということだけである。

 最後に気になる一節が出ているが、内容を語る前に余白がなくなってしまった。




3.地の文優先

(私の小説はトンと評価されなくなった。評価されていたのに、あのコメントが出て以来だ。)


 私には一体なにが起きたのか分からなかったが、とにかくトンと評価されなくなってしまった。

 しかし、まぁ仕方がない。そもそも読まれると思って書いていないし、むしろ趣味として楽しめれば十分だし、それにもうすぐ終わる予定だった。

 それが少し早まっただけだ。ただそれだけの話である。


 それからしばらくして、また例の如くあの時と同じコメントが来た。

 今度は二通来ている。内容はほぼ同じなので割愛させていただくが、一つだけ言えることは、この一件によって、私は初めて自分の書いたものが批判されたということを経験したということである。

 しかも匿名ではない。ちゃんとした人間が書いたものなのだ。

 それこそ小説家や漫画家ならいざ知らず、一般人の書くものに文句を言うとはどういう了見だろうか?


  確かに私の小説を面白いと思う人はいるかもしれないが、逆につまらないと言う人もいるはずだ。

 そういう人の感想に対していちいち反論する気はないが、それをわざわざ他人様の小説にまで持ってくる必要はないではないか! だいたいどこ


・・・コメント・・・

「批判される」ということを初めて経験したらしい。最初こそは余裕を持っていたのだが、やはり怒りの感情はあったらしく、少しずつヒートアップしている。

 この後は……愚痴が延々と続くのだろうなあと思われる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る