第7話

 三人が寺院を訪れて一週間が経ち、いよいよアルシアを披露する日がやってきました。本堂にテロスと三人の代表者が集まりました。

「御三方、それで……アルシアを蘇らせることはできたのでしょうか」

「テロス殿、アルシアの復活は無事に成功した。しかも彼女は死ぬことはない、永遠の命を手に入れたのだ。さあおいで、アルシア」

 アトモスの呼び声に合わせて、アルシアは巫女の装束をまとって本堂に入ってきました。

「お爺様、アルシアでございます」アルシアはゆっくりとお辞儀をしました。


「おお、まさしくアルシア! これまでどうしておった、黄泉の国を彷徨っておったのか?」

「いえ、お父さん達に科学、魔法、超能力を学び、すべてを習得しておりました」

 アルシアは育て方が良かったのか、正直で嘘をつくことができませんでした。三人はまずいなと顔を歪めました。

 ロゴスが急いで話題を逸らします。

「アルシアを蘇らせることができた。納得いただけたかな。この星林を明け渡してもらうということで、よろしいな?」


 テロスは杖で床をトントンと叩きながら考えておりましたが、ひとつの質問をアルシアに投げかけました。

「まだ肝心の巫女としての仕事がございます。アルシア、祈祷の儀式で使われる聖句は詠唱できるかな?」

「いえ、それはまだできません」

「アルシア、私が以前にすべて教えたはずじゃ。忘れてしまったのか?」

「教えていただいたことはすべて覚えております。お爺様からはまだ何も教わっておりません」

「……これは一体どういうことでしょうな?」テロスは三人に疑念の視線を送りました。

「まだ起きたばかりで、記憶が曖昧なのかもしれない」アペルはごまかすために言いつくろいました。

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