7-2
現地の高校に通ううえで、一番の困りごとだったのは、やはり、言葉をどうするのかという部分だろう。あとから知ったことだが、クシナとは異なり、地球では実に様々な言語が、使われているそうだ。そのいずれもが、クシナとは違う種類にあたるため、円滑なコミュニケーションを取るのは、どうしても難しい。
しかし、この点に関しても、図らずもシイナが対応してくれた。それは、通学に必要な制服を、俺たちが調達していたときのことだった。
『いらっしゃい』
店主のかけた言葉の意味がわからず、俺たちは、顔を見合わせて立ち止まる。面倒なことになったぞと、俺が対応に頭を悩ませていると、シイナが口を開いていたのだ。
「お店にようこそ、っていう感じみたい」
「わかるのか?」
俺とオオミは、心底びっくりしてシイナを見つめた。
「
それは本来、古代の言葉を、現代語に訳すための魔法だ。シイナのお役目は、食料の生産に関わるものだが、その広範な知識と発想には、いつも驚かされる。
シイナの作った、
「学校の服……ほしい。男二個、女一つ」
潜入することになった俺たちは、できるだけの準備をしたように思う。転校という形で、俺たちが
「この時期に転校なんて、レアじゃない?」
「いや、転校はいつだって珍しくないか。 外国で育ったんだろ? 日本に来たのは、親の都合か? ……ああっと、まだうまく、日本語がしゃべれないんだったか」
「少しずつ慣れてけばいいよ。うちらも教えるしね」
外国で育ったという俺たちの設定は、うまく利いていたのだろう。特に不審がられることもなく、俺たちは、二年生としてクラスに溶けこんでいった。
次第に、俺は、そこで一人の女生徒と仲良くなる。名は
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