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「了解です」
「話を戻そう。今後、お前たちがどうするのかを、俺なりに考えてみたのだが……。方針を、現地の人間と親しくなる、という具合に変えよう。強奪の作戦は、いったん白紙に戻す。まずは、その星のことを学ぶことが優先だ。文明に魔力を使ってないなどどは、さすがに俺たちにとっても、完全な想定外だった。クシナとでは、社会の根本的な仕組みが、大きく乖離してるようだ。現地を十分に知るのが望ましい。お役目の期間は、多少長くなってしまうだろうが、焦らずにやってくれ。くれぐれも、これが神からのご指示であることを、忘れてくれるな」
最後の発言は、マリアを念頭に置いてのものだろう。
釘を刺された俺は、神妙にうなずくしかない。
「承知しました。あの……すみません。最後に、ウスク隊長は、ご無事ですか?」
あれから、だいぶ時間が経ってしまったが、俺にとっては忘れられない出来事だ。たぶん、俺だけじゃない。
「ん? ああ、聖域でのことか。……もう随分、前の話になるな。案ずるな、元気でやってる」
師匠は微笑を浮かべてうなずくが、すぐに後方から声がかかった。
「お話し中、すみません。
その言葉を最後に、通信は一方的に切られた。
いかにも訳ありといった感じの様子に、俺は、眉がひそむのを止められなかった。せめてもの救いは、そのドタバタを耳にしたのが、俺だけだったという点だろうか。こんなの、みんなにいらぬ心配をかけるだけだ。とても教えられるようなものじゃない。
俺は、大きな溜め息をついてから、椅子を離れた。
※
強奪ではなく、潜入。
師匠からのアドバイスを、俺が三人に話すと、すぐに、シイナが魔法を使いはじめていた。魔鉱石の消耗具合から、かなり強力な、魔法を発動させたのだとわかる。
「う~ん……。軽く探ってみたけど、やっぱり魔力について知ってる人は、少ないみたいだね。それから、ヨキの言うとおり、魔鉱石は使われてないっぽい」
「今のは探索の魔法か?」
「うん……」
そんな便利なものがあったなんて、知らなかった。日常の魔法に詳しいと、自分で言うだけのことはある。あるいは、儀式ばかりにかまけていたせいで、俺がものを知らないだけなのだろうか。
「よし。それじゃあ今後も――」
その魔法を使おうと、そう言いかけたとき、マイが鋭い口調で、俺の言葉を遮っていた。
「やめろ。今のは、
言われて、シイナのほうに目線を向ければ、たしかに、ごまかしてはいるが、表情に疲労が見える。最初から止めるべきだったと、俺は、内心で舌打ちをしていた。
「いや……そういうことなら、もうだれにも使わせない。俺たちの方法は、あくまでも地道な潜入調査にある。……みんな、この世界に溶け込むぞ」
俺の発言から、何をしようと考えているのか、オオミにはわかったのだろう。驚いたように声をあげていた。
「まさか、ヨキ。
「ああ、そうだ。
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