第6話

「ジャジャーン、これが僕の自慢の工作」

 広場には高低差をつけた長いレールが複雑に繋がれ、無数の柱で支えられた構造物がそびえ立っていた。

「これはジェットコースターって言うんだ。コースターに乗って、このレールの上を走るんだよ。乗ってみる?」

 エリスがうんと頷くと、アルカは得意げになった。他人をコースターに乗せるのは初めてだからだ。


「スチール、コースターに変形」

「ラージャ」スチールはガチャガチャと金属車輪を出すと、レールの上に上がった。

「このスチール、すごいだろ? なんにでも変形できるんだ」

「知ってる、ミーシアさんが時空カプセルにまで改造したから」

「ええ? あのカプセル、元はスチールなの? どうりで形が似てるわけだな」

「私に内蔵されていた次元崩壊爆弾を改良して、時空転移装置を組み込んだの」

 二人がコースターに乗り込むと、アルカは意気揚々と声をかけた。


「スチール、発進!」

「ラージャ」

 ガタンガタンとコースターがレールを昇っていく。頂上まで上がると、遠くのほうに戦艦の艦橋の影が見えた。

「落ちるぞー」

 コースターは加速しながら急降下する。右に急カーブすると、エリスの体がアルカに密着してくる。アルカは一人で乗るのとは違う楽しさに心を弾ませた。

「また楽しそうな笑顔を見れて、よかった」エリスがこそりと呟いたことにアルカは気づかなかった。

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