12月16日 竜使いの国の竜の羽
このまま洞窟の国へ帰っても良いのですが、祝祭の日までもう少しありますね。一度港へ戻って魔導高速船に乗り、南の大陸をちょっとだけ見に行きましょうか。大丈夫、先日乗った帆船と違って最新式の船ですから、すぐですよ。
豪華な船上ディナーを楽しんだら、ハヴィシア大陸へ上陸です。乗合馬車で森へ向かいましょう。「青い森の国」ヴォーガリンへ向かいます。この森もまた美しい場所なのですが、今回はその森を超えて更に西へ。平原に暮らす竜使いの一族をご紹介します。
遊牧民の暮らすテントが見えてきましたね。その周囲に、ダチョウのようなそうでもないような、大型の鳥めいた影がちょろちょろしているのが見えますか? あれが
そんな駆竜の飾り羽が、今日のお土産です。手芸がお得意なら、髪飾りや耳飾りにすると可愛いですよ。竜使い達は換羽期に抜けた羽をたくさん持っていますから、少し分けてもらいましょう。公用語はオーリェン語、手土産は海の向こうのお酒や香辛料、それから布地や染料なんかが喜ばれます。
あっ! だめです! 駆竜に触らないで! 可愛らしい顔をしていますが、体が小さくても立派な竜。獅子を一蹴りで昏倒させる脚力と獰猛さを持った生き物です。触れ合いは必ず竜使いのいる場所で。ほら、お辞儀してください。上体を九十度折って、しっかり首の後ろを見せるのが竜の親愛の挨拶ですよ。髪をついばまれても我慢! ものすごい至近距離で覗き込まれても笑わない! 爆笑している竜使いのおじさんに嫌な顔しない!
そういえば、辛い料理は大丈夫でしたっけ? ドワーフの酒と水中蛾の糸のお礼に、お昼をご馳走してくださるそうですよ。信じられないような激辛なので、もし苦手でしたら事前に「辛さは離乳食レベルで!!」と申告してください。「控えめ」じゃだめですよ。「離乳食」で。そうすると、私達が考える激辛くらいの食事が出てきます。おや、大丈夫? 現地の味に挑戦してみますか? うん、それもいいと思います。何事も挑戦ですよね。
ご主人、私の分は離乳食レベルで!! まだ味覚を失いたくないです!
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