12/1 サナトリウム

 先輩と翔太氏に、恥ずかしながら……と、ラブレターの返事をどう書いたものか相談する。

「要するにト●ロが好きなんですか? という質問にオタクの早口で答えちゃうのをなんとかしたいわけだよね」と、沙野先輩。

「そうでござる……自分はジ●リの陰のある雰囲気が好きなんでござるが、一般人はそういうところに興味はないわけで」

「確かにね〜。さ●きとメ●のお母さんが入院してるのは弟もしくは妹が生まれるから、って思ってるひとけっこういるもんね〜」

「えっちがうの?!」

「ちがうんすか?!」

「あれは肺結核のサナトリウムでござるぞ。昔は隔離病棟ではなかったんでござるよ。草●家が引っ越したのも空気のいいところで暮らすためでござる」

「知らなかった……」

 翔太氏はポカンとしている。

「とにかく、オタクの早口でなくちゃんとした文章で返事をしたいんでござるよ。どうすればいいでござろうか」

 先輩ふたりも、翔太氏も、ウームと悩んでいる。いい人たちだなあ……と思った。

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