11/29 それは確かにラブレター

 ラブレターだ。ウソ告のいじめという感じはしない。確かに中学時代に自分の所属していたバスケ部は県大会の決勝戦で三中と俗に呼ばれる隣町の第三中学校と当たって、自分は決勝3ポイントを投げた。そこまで把握してウソ告するだろうか?

 なにかレターセットはなかったか、と机の引き出しを開ける。展覧会で買ってきたト●ロのレターセットが出てきた。それに、覚えていてくれてありがとう、自分も手紙のやりとりをしたい、と書いて封をした。


 翌日部活に行くと先輩ふたりと翔太氏がニヤニヤしていて、黒崎陽菜という女子からラブレターをもらったことを白状させられた。

 黒崎陽菜。どんな女の子なんだろう。それはそれとしてクリスマスのプレゼント交換のことも考えねばならない。

「園芸部のクリスマスなんかよりラブレターのほうが大事だよ」

 有菜先輩はそう言ってくれたが、流石に言い出しっぺがすっぽかすわけにはいかない。500円以上1000円以内で、自分のほしい新品のプレゼントを買ってくる、という条件で、クリスマスのプレゼント交換のルールが決まった。

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