第67話 ハーピーの力 ※冒険者視点
「モブミ早く逃げるんだ!」
「嫌よ! 私達と一緒に帰るって行ったでしょ!」
俺達冒険者の中で探索者として活動しているモブターズは新しくできたダンジョンに来ていた。
なんとそのダンジョンは高く売れる幻の"レベルアップポーション"が出てくると聞いて飛んできたのだ。
現に発見された数は2つ。そして、俺達の鞄に1つ入っている。そう、俺達も幻のアイテムを手に入れたのだ。
レベルアップポーションは初めの方で手に入れた。だから奥にはもっと良いアイテムが眠っていると思い、欲をかいてダンジョンの奥に来たのが間違いだった。
トラップも少なく迷路になっているダンジョンは楽しかった。
敵も出てこないため、ただ来た道をマッピングすれば奥に進めるのだ。
だが、ある出来事が起きてからダンジョンは魔窟へと変貌した。
突然、ダンジョン内が揺れると魔物が溢れ出してきた。
見たこともない魔物達が統率して、俺らの方へ向かってくる。
あまりにも突然で皆戦う準備が遅れてしまう。
少しでも俺が時間を稼げばここから逃げられると思い、俺は剣を抜いてダンジョンに残ることを決意した。
「モブタン、モブミを連れて行け!」
「嫌よ! モブロウは私と一緒に――」
モブタンはモブミの頸を叩くと、そのまま彼女は崩れ落ちる。
モブミは俺の彼女だ。そして、彼女の中には俺達の子どもがいる。
彼女はこれを機に冒険者を引退する予定だった。
「モブタン頼んだぞ」
「ああ!」
前衛で守りをしていたモブタンは、モブミを抱きかかえダンジョンの入り口に向かって走る。それと同時に俺の意図を理解した仲間達もついていく。
「ああ、俺の冒険者人生は楽しかったな! 息子か娘かわからないけど、俺のように逞しく生きろよ!」
俺はダンジョンの中で死ぬ覚悟を決めた。
♢
ええ、さっきまで死ぬ覚悟を決めてました。でも、今も違う意味で死ぬ覚悟を決めています。
「おい、もうそれ以上は無理だ」
「だらしないわね!」
毛がないウルフ種に知能がある新しいゴブリン種、そして目の前には全裸の美女達が現れた。
魔物の軍団は俺を見ると、なぜか俺を避けて仲間達を追いかけて行った。
ただ、羽の生えた美女達は違った。妖艶なその姿に俺は目を奪われてしまった。
それに気づいた美女は俺に近づいてきた。よく見れば腕が羽になっている。こんなに美人なハーピーは見たことがない。
そう思った時には遅かった。俺はハーピー達に取り押さえられて、気づいた時にはズボンを破られていた。
全裸の美女に囲まれて反応しない男はいないだろう。ハーピーは俺の下半身を見てニヤリと笑った。
そして、俺の息子へのいじめが始まったのだ。
「もうやめてくれ……いや、やめてください」
「ご主人様なんて、私達を見ても動揺しなかったわよ」
「やはりご主人様より良い男はいないのよ」
俺は彼女らの手で性を吐き出させられた。性欲が強い冒険者でも、流石に8回で限界だった。もう俺の息子は何も反応しない。
そして、俺は屍のような賢者タイムに襲われている。
「次の男を探しに行くわよ!」
「ご主人様の元へ戻らなくて良いのかしら?」
「さっき逃げた男達を追いかけるのよ!」
「さすが姉さんだわ!」
ハーピー達は俺を置いてモブタン達を追いかけて行った。
ああ、俺は夢を見ていたのだろうか。
あんな美女達に気持ち良いことをされて、一生このダンジョンに住みたいと思ってしまった。
俺はあまりにも強い疲労感に襲われ、その場で眠ることにした。
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