しりとり

第1話

「しりとり」

「りんご」

「ごりら」

「ラッパ」

「パイナップル」

「ルビー」

「ビスケット」

「トンネル」

「留守」

「スキ」

「どっちの？」

「......油断する方の」

「分かった」

「......」

「キス」

「どっちの？」

「......魚の方の」

「分かった」

「......」

「素敵」

「期待」

「家」

「エスカレート」

「吐息」

「距離」

「理性」

「射落とす」

「ス──」

「ス？」

「スキ」

「......さっき言ったよ」

「ううん、違うスキだよ」

「......」

「......」

「分かった。じゃあキス」

「......する？」

「え？」

「キス──する？」

「......ル、ルール違反だと思います」

「好きなんだからしょうがないと思います」

「ス、ストップ！」

「......プロポーズ」

「プロポーズ？ ず、ず......」

「......」

「ずっと──ずっと前から好きでした」

「大変よく出来ました」

「......」

「......」

「大切にするから」

「......ラブラブだね」

「ね、熱あるかも」

「もう顔が真っ赤だよ？」

「余裕なくなってきたかも」

「もう限界？」

「い、今はギリギリって感じ」

「じゃあ、キスしよう？」

「......」

「キスしよう」

「......うん」

「んがついたね」

「あっ......」

「私の勝ちだね」

「そっか、そうだよね。しりとりだったもんね。期待した僕が──っ！？」

「......」

「......」

「......キスしちゃったね」

「......うん」

「続きしよっか」

「どっちの？」

「どっちだろうね」