第3話 馬車の中で
馬車の中です。次回はミーアちゃんの婚約者の名前が出ます!お楽しみに!
今まで体験したことのない人並みの扱いでバクバク鳴っている心臓を落ち着かせ、ホーエン家をさっと見る。私の視界からあの家が遠ざかっている。恐ろしい家が離れることは、とっても楽しかった! さっさと廃れちまえ! あんな家。この一族の血なんて途絶えちまえ、バーカ!
それにしても、どうなるんでしょうね。私の人生は。良い扱いをして欲しいは願いすぎ? せめて人並みで……できれば『家族』っていうものが欲しいなー。
……本当にこの乗り物すごい。外を見れば見たこともない景色が広がっている。変な匂いがするいっぱいの水海、なんか木がいっぱいある所、あっ動物もいる! 乗り心地も良くて、背もたれが柔らかくて……なんか眠たくなってきた……
「zzz……」
「この女眠ったぞ……? チッ、こんなやつを虐めなきゃならないのかオレは?」
====================
<グロスター・???視点>
「良いか。我が息子よ、お前の結婚相手は散財をし甘やかされた人間だ。舐めてかかるな、徹底的にイジメろ、圧倒的にねじ伏せろ! いいな!」
「わかってるよ父さん。グロスター家は下手に出ちゃいけないってことくらいは。で、相手の名前はなんなの?」
「ハァ……一応言っておくが婚約者を名前で呼ぶなよ。ホーエン家はそこにつけ込む! 名前は『一人娘』だから『エリザベス』だ。可哀想だと思うな、同情を買うな。いいな」
って言ってたけど、本当にこいつが散財を尽くすやつには思えないが……さっきも「愛されてない」って言ってたし、どうすればいいんだよ……
「いや、こちらのフィールドグロスター家に入ってからが本番だ。そうだ、それでいい。しかも名前もまだ呼んでないし」
===================
「 い! きろ!」
うるさいなぁ。せっかく気持ちよく眠れていたのに……ん? あの物置小屋で気持ちよく眠れた経験あったっけ? あ!!
「もっ申し訳ありません!」
「そんなに気持ちよかったのか、あんなに硬い椅子で? ふん、本当に演技がうまいようだな」
出会った初日からミスが多すぎる……もう人並み扱いなんてされないんじゃ? あの家ホーエン家と同じ状況なんて、思い出すだけで憂鬱なのに……
「では付いてこい。着いて初日だが、さっそく結婚式だ。会場を案内する」
付いていこうとしたとき、ある声がそれを辞めさせた。
「おぼっちゃま。それはあなたがする仕事ではございません。執事である私が案内するので、ご心配なく」
「(あっ、まさかオレ下手に出てしまったのか? 気合を入れ直さないと……)」
二人は目で会話をしているようだった。なんか絆?を感じられていいね! 私だと「こっちを見るな!」かな? そのせいで何度か叩かれた。思い返したくないのに思い出しちゃう、ある意味これも絆? かもね!
後書き
まともな教育受けてないのにミーアちゃんの語彙力高くない?と思った人もいるでしょう。安心してください。理由があります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます