名を敖凌(ごうりょう)と申す

体が光ったと同時に 人間の形に変わっていく


「ほえー」

なんだか中国の三国志とかに出てくる

人みたい


キラキラした白銀ベースで色々な所が

赤や黄色で縁取りされて

マントつけて


御本人といえば

頭の上で銀色の輪っかで髪を一度くくって

サラリとストレートの腰近くまである

漆黒の髪


身長180センチくらい?

目は翠


ひとがたになったら

角は消えるらしい


大きくもない細くもない切れ目の目に

すっと通った 日本人より高い鼻


薄い唇は朱にそまっている


まぁ カッコいいわね



ザッと 一歩踏み出し

肩や首を回し こりをほぐすかのように

動いた後は こちらに歩いてくる


おお!歩いてるよ

鎧がカチャカチャと音をたてて

アニメやゲームの登場人物そのものの

人が…歩いて 眼の前に来たよ



「娘よ 世話をかけた 心から感謝する」


「ニイハオ」


「?」


あれ?通じない?

もう一度

「ニイハオ」


「娘よ 普通に話してもらって構わぬ

我も 出会った時から 同じ言葉で話していると思うのだが 通じぬか?いや

通じておったよな…」



「!そうだった」


「分かってもらえて良かった」


「こんにちは!」


「……こんにちは……」

なぜ そこなのだ?

まぁ 挨拶は大事だからな……


「ところで いつまでも娘と呼ぶのも

如何なものかと 思うのだが 

名を教えてはくれまいか

我の名は 敖凌と申す」



ごうりょうさんね

ごうりょう ごうりょう…

よし!覚えた!


「娘よ……」


「!ゴメンナサイ!

ごうりょうさんですね

私の名前は 環 佐伯環(さえきたまき)といいます」


「環殿か」


「あの 殿は外してもらっても良いでしょうか 環だけでお願いします」


「かしこまった では 我のことは

りょうとお願いいたす」


「分かりました りょうさんですね」


「かたじけない」


やっと二人の自己紹介が終わり


ふと 見上げると 雨雲は無くなっているが 夕焼けで空が赤くなっている


「え!もうそんな時間?」

あわてて スマホで時間を確認する


「あー そろそろ帰らなきゃ

じゃ りょうさん さようなら」


「では………!いや 環!」


自転車を漕ぎ出そうとした矢先の

名前を呼ばれ


「?なんですか?」




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