第3話 スキルとは

 マリー先生のスキル授業。


「スキルについてはみんな知っていると思いますが詳しく教えていきますね!

 まず初めに、メインスキルとサブスキルの違いを教えましょう! メインスキルとは主に職業系が付きやすいです。 みんなが良く知っているのは戦士や魔法使い、物語の世界では英雄や賢者とか勇者などもありますね! ○○を極めし者とかもありますがあまりそこらで見かけないと思います。 マイナーな物では属性系スキルもあり、名前は炎や水といった簡単にざっくりとしたスキルがメインスキルに付きますね。すごく曖昧なスキル名ですが、出来ることは無限大と言うほど扱えます。そんなメインスキルを得ると体に変化が徐々に現れます。戦士なら力が何倍にも強くなっていきますね! そんなスキルに必要な体にスキルが組み替えていくわけです。メインスキルは主にここが強く出ており名前に恥じないほどの能力を得ていきますよ! ちなみに私のメインスキルは守護者です!」


「次にサブスキルを教えましょう! サブスキルとは補助という名前通りにメインスキルを補うスキルが付くことが多いですね。戦士なら筋力強化や強度アップなど、肉体方面を強くするスキルが出やすいと言われています。逆に魔法使いなら魔力操作や魔力アップなどの恩恵を受けるので強いですよ! 今回は少し特殊で強いけど弱くもあるスキル、成長阻害の説明をしようと思います!」


「成長阻害とは、一部の体の成長と止めて一部の能力を大きく成長させるというスキルです。この世界で有名な話の一つに成長阻害のお話があります。」


「戦士と成長阻害のスキルを受けたある少年は、成長阻害で止められた成長は精神面である考える力や理解する力などの頭に関する事でした。その影響を受け大きく成長を受けたのは肉体であり力と強度が大幅に強化されたのです。そんな少年に目を付けたのは国でした。戦争兵器として育て上げられ管理は子供にご褒美をあげる程度の物であり簡単に懐柔できたのです。そうして育った少年は化け物のような力を得ました。軽く握った石は粉々にすり潰せるようになり、振りかぶって殴った拳はどんなものでも穴を空け、全速力で駆けた戦場は一直線の獣道のようなものができるようになりました。この少年を手に入れた国はどこの国と戦おうとも勝てる力を手に入れました。しかし、見た目はガチムチな男であっても、心が子供のままで、簡単に怒ってしまいます。そんな少年を怒らせてしまった国は夜の間に更地になるほど城は崩れ、街は崩壊し、少年は真っ赤に染まっていたそうです。」


「そんなわけで成長阻害は、メリットはすごく大きいです。ですがデメリットが大きすぎるとその平等とも思える天秤は、簡単にデメリットだけで判断され、みんなに恐れられてるスキルでもあります。しかもルーグ君のメインスキルは、本来サブスキルについており、サブスキルがメインスキルに出る事は聞いたことがない話です。そんなどうなるかわからないスキルを二つ抱えたルーグ君の将来は心配ではありますが、神様はよく考えてスキルをくださいます! ルーグ君もスキルで不幸だと思わずに一度神様がくれたスキルに感謝してスキルの能力の活かし方を考えてみませんか?」


 そんなマリー先生の話を受け僕は、唯一サブスキルがメインスキルになった人という事で、何ができるようになったのかすごく興味が沸いてきた僕はさっきまで落ち込んだ気分はすでにどこかに行き魔力操作をどう生かすのかを考えていた。


 マリー先生の話を聞いた日から勉強の時間を特訓に変えてもらえないかどうか聞いてみた。マリー先生は快く受けてくれウルとララも見学しながら魔力操作をどう扱うかという勉強が始まった。


 勉強と言ってもこれは個人がもらったスキルの事なので、マリー先生から話を受けるということがないが、一つアドバイスとしてもらったのが、戦闘で前に出る前衛をする人が必ず覚えているという物理魔法をまず覚えるのはどうかと教えてくれた。 持っていてもあまり意味がない魔力を物理魔法で盾の役割を出し攻撃を防ぐという戦い方をすると元父から聞いていた。保有魔力が少ない分それぐらいにしか役に立たないと言っていたのを覚えている。その点で言えば、僕は魔力量だけはすごく多い。 その事を利用し魔力操作のスキルも駆使することで、僕でもなんとか戦うことはできないか?と考えて物理魔法の習得を目指した。魔法を使う際はイメージが重要だと教えてくれた。目を瞑り手を前に出して僕の内を巡る魔力に意識を向けながら、目の前に魔力の壁を出すイメージを広げる。そして目を開き大きさを決め魔力を決めた器に流しこむように形作る。そうすると薄い光を放つ半透明な光の壁ができていた。思っていた以上にあっさりできてしまった事にびっくりしたが、どれくらいの強度なのか気になり軽く触ってみるとしっかりと壁に手が当たる感覚を得てビクともしない壁に僕は喜んだ。その様子を見ていたマリー先生とウルとララから拍手がもらえてさらに気分は上がる。


「それぐらいは魔力操作をサブスキルで持ってる人は結構できてしまうので、ルーグ君にしかできないことがもっとあるはずですよ!」


 そんな可能性を教えてくれたマリー先生に応えたくなり再び壁に手に付けイメージする。もっとすごいことはできないのか?と悩みながら曖昧なイメージしか沸かない自分を残念に思うが、そんな心境とは裏腹に目の前の壁には変化があった。硬い壁から弾力が生まれそれは徐々に柔らかくなり、粘土をこねるような柔らかさまでなってしまった魔力を見て、僕は何にこれが役に立つのかをまず見つけることから始まる事に少し気分が下がる。そんなこんなで魔力をひたすらこねこねしているとマリー先生に止められる。


「そろそろ終わりにしましょう。 物理魔法とは魔力そのものを触れられるようにする魔法で維持することにそこそこの魔力が必要になります。 こういう事情があるからこそ本当の戦闘時は危機を脱するときにしか使わないのですよ。 ルーグ君が魔力をいっぱい持っていると言っても万が一にも魔力を使い切るなどをするとすごく気分が悪くなってしまいますから、魔法の練習はこのくらいにしましょう!」


 そんなマリー先生の静止を受けおとなしく従うように手に持つ魔力を散らす。


 この物理魔法で戦うとなると必然的に接近戦になると思った僕は、剣の使い方を学んでいこうと思い自分が決めたこの未来の道を一歩ずつ歩き出して行った。

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