第4話 「戦友」
俺は零澪と一緒に戦っていた。だが…そこで悲劇が起きた。
「食らえ!機関銃掃射!」
と弾幕が俺らの所へ向かってきた。2人で何とか凌いでいたがついに追い詰められ、窮地に陥った。そして数人が銃口を向け撃ってきた。その時、今までの思い出や真と過ごした日々が走馬灯となってフラッシュバックしてきた。ああ、俺は死ぬんだと思って目を瞑った。しかし、一向に
「真、後は頼んだ…ぞ……ゴフッ…」
「零澪?!おい、死ぬな零澪!まだ戦いは終わっちゃいない!また一緒に戦おう!零澪!」
必死に零澪に呼びかけるももう、彼は動かなかった。立派な戦士だった。俺を庇ってまで、助けてくれたんだ。俺が殺したようなものなのだから。俺は一生、この罪を背負って生きていく。そう決めたのだから。そして俺は彼を丁寧に弔い、零澪の愛刀を墓標にした。
「零澪、お前は立派だった。必ず、また来る。それまではしばしの別れだ。」
俺は彼の墓に手を合わせ、その場を後にした。弔い合戦の始まりである。
「さぁ、弔い合戦と行こうじゃないか…」
と、次の瞬間彼の姿が消えた。すると、彼が通ったであろう道には死屍累々となっていた。彼にかなう敵などそうそういない。いるとすれば戦車隊だろうが、こと如く破壊されている。履帯無力化、砲塔部分を正確に狙い撃ちしては破壊。それを繰り返している。爆撃がこようものならすぐさま対空砲で集中砲火する。
いつしか彼には傷が少しずつ、出来ては増えていった。血も多く流した。しかしその大小合わせての傷は応急処置だけしてはまた戦った。
「はぁっ……はぁ……血が、足りねぇ……ぐふっ……でも、戦わなきゃ…!!」
俺は必死に戦った。爆風で腕が使いものにならなかろうが関係ない。この戦いを自分の手で終わらすんだ。そう決心した俺は口に軍刀を咥えて片手に銃を持って激戦の最中、身を投じて文字通り命を賭して戦った。すべては愛する人のため。
「ぐっ…ここで死ぬ訳には、いかないんだ!!うぉおおおお!大和魂を込めて!お前らを、滅する!!」
と軍刀を構え、大地を蹴って敵軍に向かった。立ち向かってくるのは銃弾。被弾しつつも怯まずに果敢に戦った。増援が来て真を見て放った言葉が「お、鬼だ…アイツは鬼だ!」だった。そう言われるのも無理はない。満身創痍で動けるのが奇跡なぐらいなのだから。片腕が辛うじて繋がってる状態で戦っていて全身血まみれの傷だらけ。いつ倒れてもおかしくなかった。しかし次の瞬間、彼は倒れた。
「おい急いでヤツを回収しろ!じゃなきゃアイツは死ぬぞ!急げ!援護兵は衛生兵を援護して突撃兵は道を作れ!行け!大日本帝國バンザァイ!!全軍突撃ィィィ!!」こうして彼を助けるために新たな戦いが始まる……
週末にまた投稿したいと思います!それではまた次回、お会いしましょう!
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