第3話
彼と付き合ってるのか、なんて。そんなわけの分からないことを言われた、次の日だった。
誰も、彼のことを覚えてないようだった。わたしだけが、覚えている。不思議だけど、なんか納得した。任務とやらで、そういうことになってるんだろう、たぶん。分からないけど。
そう。分からない。彼のことは、なにも。それが心地よかった。彼にとってわたしが必要ないものなら、わたしもたぶん彼のことを忘れる。でも、今はまだ、覚えてる。
ギャルとつるんだり、何かを耐えたりするのを、やめた。第2倉庫にいる。屋上とか保健室とかじゃなくて、第2倉庫。わたしと彼の場所。台所。彼みたいにできるかなと思って挑戦した料理は、1日目で撤退した。とてもじゃないけど彼とは比べ物にならない。食べれるけど、美味しさの欠片もなかった。ただの食べ物。
もうちょっとしたら、工事が入る。工事業者は普通に人じゃない、機械的なやつなので、第2倉庫に入ってもあまり体質へのダメージはなかった。
彼のことを、考える。そうやって、1日を過ごす。
彼は、いま。どうしてるだろうか。
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