第14話

「……今日はここまで」


「えー、もう少し聞かせてよ」

「もう夜も遅いし寝る時間だ。明日は学校もあるだろう?」

「それじゃあ明日の夜、また読んでくれる?」

「いいよ、まだ先が長いから毎晩少しずつ……」

「ありがとう。おやすみなさい、パパ」

「おやすみ、九巫女クミコ


 父親は部屋の明かりを消すと、ドアをそっと閉めた。

 古書に記された「一角鯨使いの巫女」の伝説は、まだ序章が始まったばかりだった。

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一角鯨使いのフミコ NEURAL OVERLAP @NEURAL_OVERLAP

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