第19話
母親が帰宅する前に私は出ていきます。いつも遊ぶのは家の中です。実際のところ、私こそ外で自由に遊びたかったのです。天使への想いが募るたび、私は天使と公園や遊園地やピクニックへ行きたくなりました。
しかし同じ
欲望とは際限がありません。願望を叶えるとそれは日常になり、その日常に飽きてまた願望が生まれる。止めどないことはわかっているのです。
それでも私は帰らねばならない。両親へ手渡さなければならない。親と呼ぶのに
しかし天使とて、欲望の変移があるのでしょう。私と過ごす日常が当たり前になり、両親と過ごす時間を稀少に感じていくのです。両親と渋々出掛けなければならなかった行事は、待ち遠しい楽しみに変わっていきます。
天使は徐々に両親へのわだかまりを解消し、彼らを理解するようになっていったのです。たった数ヶ月の出来事です。たったそれだけの短期間で、天使は急激に成長を遂げていったのです。恐ろしいほどです。幼さとは恐ろしいものです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます