第2話

次に目を開けると、目に映ったのは知らない天井だった。少しずつはっきりとしていく意識の中で、周囲を見渡す。

、、、、なにもない。

真っ白な部屋の中にベッドと、そこに横たわる自分。それ以外には何もないようだ。少しずつ体を起こしベッドに座る。もう一度見渡してみるがやはり何もない。

(なんでこんなところに.....。)

記憶が曖昧で少しくらくらする。

(確かあの人に会いにバーに行って、、、っ!そうだ!男に刺されたんだ!)

急いで刺されたところを確認するが全く何ともない。傷跡すらない。

(なんだ?俺は確かに刺されて、、、夢のはずはない、、、、)

何度見ても触ってみても違和感すらない。

(と、とにかくここから出ないと、、、)

まだ少し重たい頭を感じながら部屋を歩き回ってみるが、本当に何もないようだ。だが、壁に縦2m横1mほどの四角形の切れ込みがある。扉かと思い、押したり切れ込みに指をひっかけてみるがびくともしない。

どんどん!どんどん!

「おい!誰かいないのか!?おい!」

扉らしきものを叩き声を張り上げてみるが、扉は相変わらず微動だにしないし部屋の外に誰かいる気配もない。

「なんだよこれ....。」

体中の力が抜け、座り込んでしまう。絶望感が心を覆いつくした。

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