第6話
華の島の裏山に潜む岩屋。漆黒の闇から冷たい風が吹き出し、唸り声のような残響が聞こえていた。
そこに複数の武装した
「毎年晩夏の
龍装隊の総隊長から命令が下されると、各部隊長はそれに応じた。
「先鋒
「次鋒
「中堅
「そして大将
「準備……よし」
「この島は我が国のへそだ。現世を惑わす餓妖界と繋がる羅刹門を閉ざすべく隆起した禍の島ができてから千五百年の時が経つ。今こそ餓妖を殲滅し、
岩屋の奥底からずるっずるっと岩場を這いずる忌まわしい音が聞こえてきた。月光が岩屋を照らすと、無数の異形の化け物が地上に向かう姿が映し出された。手足の見分けのつかない触手を持つ蜘蛛男、四方に向いた顔で辺りを見回す獣人、その容姿は様々であった。
「先鋒月鱗隊、攻撃準備」
「
「
「承知」高さ十メートルはあろう五尺玉巨大
「撃てえ!」
餓妖に向けて矢が放たれると同時に花火玉が打ち上がり、龍が昇るようにうねる一筋の閃光が漆黒の闇夜に浮かんだ。
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