第4話
「ただいま」
華の島の最南端にある華島神社に帰った竜樹は、境内をほうきで掃いている
「おかえり、竜樹。今日は再び
「親父は
「これはとても大切なことだ。元来この世に
「いや、誰かがやらなきゃいけないことなのはわかっている。沙羅を守れるのは俺しかいない」
ひゅうと父親は口笛を吹いた。
「沙羅ちゃんか、そうだな、本人には秘匿されているが現代の天嬢様は彼女だ。お前にとってはお役目より沙羅ちゃんのほうが大事か」
「なんていうか、俺はそのために生まれてきたんじゃないかと思っている。彼女の笑顔さえあれば、それだけでいい」
「妬けるな。聞いている私のほうが恥ずかしくなるぞ」
「今日こそ、けりをつける。来年こそ沙羅と一緒に花火を見るために」
「花火か……よもや大邪祓のための偽装工作だと気づく者はおるまい。闘いが始まれば、激しい火花と轟音が立ち昇る。それを皆に悟られぬように催していることとは思わぬだろう」
「みんなの平穏を保つには誰かの犠牲が必要だ。俺はその
「格好いいねえ、さすが我が息子。そんなお前だからこそ、
父親は
「龍の銀鱗。
「ああ、そのために日々剣道で鍛錬している」
「まもなく花火大会が始まる。岩屋にはすでに
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