第6話祖父のアルツハイマー認知症との戦い

 元気だった頃の祖父はしっかり言葉も表現できた。

 言いたいことは言っていたし、ときに優しく、時に厳しかった。

 

 ただ高齢になるにつれて、病気を患い、入院することもしばしばあった。

 畑仕事が病気のためできなくなり、家にいることが多くなった。

 そのころの祖父は前のエピソードでも書いたが、アルツハイマー認知症を患っていた。 

 大声で叫ぶことも多くなり、認知機能が衰えてきたので、近くのデイサービスを利用することになった。

 

 最初は社会福祉協議会が運営している施設に祖父は入ったが、相性が合わなかった。

 次に別のデイサービスにも祖父は行ったが、これもだめだった。

 最後に近くのデイサービスがあり、そこに入所して、ひと段落ついた。

 

 こういうデイサービスを運営している施設はたくさんあるが、入所を待っている高齢者が多く、なかなか入所できないのが現状らしい。

 その時に祖父がたまたま入所できたので、家のほうも落ち着いていたが、もし入所できなければ、家で祖父を介護することになったかもしれない。

 

 きっと祖父のアルツハイマー認知症と戦っていたかもしれない。

 それくらい誰がなってもおかしくない脳の病気なのだ。

 

 偉大だった祖父も病気には勝つことができなかった。

  「祖父はリハビリも病院では積極的にしなかったそうだ。」

 とあとで母から聞いた。

 

 

 

 

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