第3話 馴れ初めねぇ
波はいい女だ。性格は素直だし。それにまぁ~なんだ……
う~ん~なかなかエロっぽい。
でも料理が酷い! 酷すぎる!
お願いやらないで! のレベル。
気持ちだけ受け取るよ……だから
料理は……まだ存命為たいのよ俺は。だがしかし俺はそんな所は問題にしてはいない! 断固為てない! 少しだけでいいから、ほんの少しだけでいいから人の気持ちを汲んで欲しいだけ。
端的に言えば! 俺を寝かせて欲しいだけなんだ。
波は今年で三十五。女性として一番熟れている……そう~そう~フェロモンがムンムン。
あぁ~あの柔らかなボヨヨンが揺れれば~クゥ~堪んねぇ。となるのだが、毎日は辛いぞ。贅沢だとぼごぼこされそうだが、こればっかりはその身にならなければ
判らんだろうよ。
しがないサラリーマンの俺。
六時に起床。六時半過ぎには家を出て八時過ぎに出社。
今上司と組んで仕事をしている関係上、やらされる事が多くて……残業ありあり、日ましにヨレヨレ。ビール飲んでほぼ毎日バタンキューとなれば諸々噛み合わなくなっていくわけだ。
それとは対照的な波の仕事。
彼女はコラムニストで、そこそこ世に認められつつある。
そして俺が最も羨ましく、且つ迷惑しているのが時間の観念をなくしていること。おい! お天道様はとっくに仕事しておるぞ!
畜生! 俺もやりて~よ。
創作って……誰でもが持っているそれぞれの感性に、どれだけ個性という色彩を付けられるかが肝になるんだろうと思う。その点波は上手く色づけ為ている。
書いている内容は多岐に渡り、美容から節約生活、はたまた時事問題等。彼女の立ち位置は、常に波自身を晒しながら、素朴な疑問を独自の視点で投げかけて行くスタンス。判りやすいけど……迎合は為てない。
うん、そして当たり前だけどよく勉強しているし、流行にも敏感に反応する。本当尊敬しているんだ。
でももう~俺の時間を乗っ取るのはやめてくれ……俺の生活なんてあって無いようなもんだよ。
付き合いたての頃は、波もそれ程忙しくなかったから、落ち着いた付き合いもできていた。
細かいことは置いといても。
そんな俺たちのなれ初めはスイカ。隣に住んでいる頃スイカをおすそ分けされて、その日のうちに夕食に誘わた。まあさぁ、少しも前からお互い意識していたから。
それはその……大人だからさ。
いいかんしになってね……なるようになってしまった訳。
スタートはそんな感じだったけど、それからは真面目に愛を育んでいた……けどね、事情は変わる訳、波はそれからすぐに売れ始めてお引っ越し。てっきりバイバイになると思いきや、関係は続行していくんだ。波曰く俺にぞっこんで、別れるなんてあり得ないそうだ。
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