第7話 スタートライン

 私はゆずるの話しを聞いているうちに、悲嘆に暮れている自分の姿が余りに幼く思えて、自分の恋愛は、恋愛として果たして成立していたのか、好きと言う感情にただ酔っていただけで、肝心な事は見て見ぬふりして逃げて。それで悲劇のヒロインを気取っていたのか。

確かに、あいつの言った事は許せないけど、それで人生終わるとか、女でなくなるとかあり得ないだろうが。きっと私にだってこのふたりのように、私を認めてくれる運命の人がいるはずた! 諦めるものか。

 

 夏弥とゆずるは辛くて苦しかった時も、支えあって絆を深め守りあっていた。

 ふたりを見ていると幸せが溢れているのをひしひしと感じる。人を愛しく想うって

美しいんだ。そう思える自分が、ふたりから幸せを貰えていると感じられて嬉しくなる。


そして隣の秋也は優しく温かく私を癒やしてくれる。


 ああそうだ……私は愛されてなかった。ただそれだけの事だった。


 でも私の人生はこれからだ! この人達がいてくれる。私にはそう思えた。

その途端体は軽くなり、思わず頰が緩むのを感じた。


 恋愛はひとりでする物ではな事ぐらい百も承知だけど。

時して、考える方向、見定める方向を間違えてしまうんだ。

悲しくて、痛くて、まるで袋小路に迷い込みただ泣き叫んで、のた打ち回っている自分が、ただ、ただ惨めにに思えた。この世に、いてもいなくてもい良い存在なんだから、消えてしまおうと何度思ったか。

 でも今は思う。何も考えなくていい、ただ少しだけ上を向こう。

そしたら、景色は変わる。少しだけでいいんだ。上を向いてみる。

 

誰も私を否定できない。私は私だけは、私を認める。

どんな馬鹿な私だとしても。だって、今まで生きてきたんだ。

どんな時だって。倒れても起き上がってきた。

誰にも認められなくても! 私には私がついている。

それを忘れないことだ。 いいか? 私。

 

 また恋をしょう。

誰かを愛しく思いたい!


上手く行くかは誰にも判らないけど。


惹かれ合うこと

想い合うこと。


それは素敵な事なんだ。


良し踏み出すぞ! 行け! 私。







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