第3話 想像と現実は乖離しすぎだ!
あれは成り行きだった。決して故意では無い。それでも自分のせいで男性の部屋に上がっだ訳だから。
相手だって色々考えるわけだし。行けるところまで行ってしまえ! ダメ元だって思うのは普通なんだろうね。
でも今夜でなくて良い訳だし。こんな状態でするとかあり得無い。美香は絆創膏を貰うとトイレでストッキングを脱ぎ絆創膏を貼った。痛いし血だらけだし、思わず溜息が漏れる。踵に触れないようスットンキグに足を入れかけたとき佐々木に声をかけられた。
「サンダル貸してあげるから靴はくの止めた方が良いよ。それからストッキングはくと歩きにくいからね」
とそこまでご親切に言われるとは、
「えっ? はいっ……どうも」
一瞬固まった美香は血だらけストッキングを手にトイレから出ると、あっと言う間に抱き締められてしまった。
深いキスをされ耳元で、
「良い?」
と囁かれた。
嫌だと言えばそれっきりだろうか? うんと言えばその流れになる。勿論美香は好意を持っていたし成るべくしてなるのは自然の成り行きだとは思うが。勝負下着ではない! 昨夜は悩みに悩んで、初めてのデートでバッチリ決めているって、とても恥ずかしい気がしてやめたのに。折角勝負下着買ったのになぁ……人生でたった一回記念すべき日なのに残念過ぎる。言いたいことはあるが言葉にならない。美香は布団に寝かされたのは覚えているが、後は余り記憶が無いのだ。緊張し過ぎだった。そんなの当たり前だ! 初めてなんだから! 記憶にあるのは痛みだけ。靴擦れの非じゃないっうの。痛い痛い痛いの連呼!
「初めて?」
との問いに頷くと、佐々木は一瞬固まっていたが、
「嬉しい」
と返された。美香はなんと言うべきなのか悩んでいるうちに、頭はどんどんシラけて行く。
ほぼ痛みとの戦いだった。
「力抜いて、力をねぇ抜こうね」
今夜何度目の力抜けなんだ?
あれ? 急に痛みがなくり
動きが止まった。
終わったらしい……終わったそうだ。はい! 脱バージン終了。
夜景の見える部屋でも無く、ベッドでも無く……それはまあ良いとしても、美香がその場で出血しなかった為、一瞬バージンを疑われた。冗談じない! 家に帰りお風呂で体を洗っていたら出血をした。出血したじゃん! 当たり前だ。 バージンなんだから! 然し疲れた。疲れ果てた。ただなんかもう虚しくて、今夜しなくて良かったよと呟く美香だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます