第2話 大失態です!

 パン屋さんで見かけた男性についての親情報。

 ロンドンに留学していた息子さんで、今は英語を近所で教えながらパン屋さんを手伝っているとか。それを聞いた美香は実家にいる二週間、毎日パンを買い行こうと秘かに決意。そんなこと為たら下心バレバレだと判っているが

日数に猶予がないのだ。美香は最後の日、意を決して仕事で関わったモータショーのイベントに誘ってみた。すると車が好きと言うこ事ですんなりりデート? の約束をとりつける事が出来た。

やった! 強靱な赤い糸であれ~。

 いよいよ当日、彼佐々木篤史は

どの車にも興味津々で丁寧に見て回っていた。そんなな嬉しいとは

ちょっとビックリ。

その後は食事をしながら、車の事やイギリスの事を面白おかしく、話してくれて楽しい時間を過ごした。終始紳士的で格好良い。

180センチの高身長に空手を少しは囓った事があるとかで、道理で体格もなかなか逞しい。

短髪黒髪は美香好みで……最早

気持ちがほとんと傾いている。

 その夜は美香も実家に帰ることにしていたので、最寄り駅から散歩がてら歩く事になった。

うん? 嫌な予感がする。踵の痛みがズンズンってこれは靴擦れだ。一応絆創膏を貼ってはあるが効き目無しかぁ。やっぱり新しいパンプスなんか下ろさなきゃよかった。これ20分も歩いたら完全に拙い事になると思いながら何も言えない乙女心よ。出来るだけ踵に負担をかけないように歩いては為いたが、その努力も虚しく途中で豆が潰れた。

もう痛くて痛く泣きそう。

それでも足を引きずるまいと頑張ったが、遂に限界は来たのだった。

仕方なしに事情を話し休憩をお願いすると、なんと美香を背負う言うのだ。いやいやいくら何でもそれは駄目だ。だっておんぶだよ! あり得ない。

「遠慮為ててもらちが空かないし、恥ずかしいだろうけど……」

躊躇為ている美香を半ば強引に背負うと佐々木は歩き出した。

が、やはり密着度が半端ない訳で

背中にどうしても触れてしまう部分があるのですよ。

いけない!っと思わず腰を浮かそうと体に力を入れてしまった。

「少し重くなったよ? もう少し力抜いてね」

判ってはいるけどダラリとするわけ行かないでしょう。

美香はおぶわれ方を何とかしなければと、無駄な努力で冷や汗は止まらなかった。

裸足で帰れる距離まで来たので、降りますと言おうとしたまさにその時、絆創膏が家にあるから寄ってと言われてしまった。おぶわれている身とすれば、いらないとは言えずに絆創膏を頂きに寄らせて貰う事になった。


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