第三、
先生は、黒板に数式を転がした後に、竜子の席の近くに靴音を隠微に鳴らしつつ、
「ゲームを辞めなさい」
液晶から、俯伏した顔を上げた。
「もうちょっとでセーブなんですけど」
ゲーム機を没収されそうになると、竜子は、稍冷静を装って、
「私から娯楽を奪う気か、この芥教師が」
放課後、女子生徒が、一人きり教室に居残っていた。後方の机、その上に百合の花が飾ってある。
「ねえ竜子、アンタさ、何で死んじゃったの?」と、静けさの裡に、言った。椅子を傾げ、花瓶を、こつんと小突いた。
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