お隣さんにドキドキ

第3話

　玄関を出た瞬間心臓が止まるかと思った。まさかこんな朝早くに隣の女が出て来るなんて。隣に住んでる冴えない女、社畜っぽいよって言ってたっけそういえば。こんな早朝から出勤かよ。

　酒も入ってたしこのクソを殺してやりてえっていつも思ってたからノリノリでやっちゃったけど。今、冷静になった。背中に氷入れられたみたいにビリビリしてる。

　顔見られた、荷物もってる所も見られた。とりあえずコレが見つからなきゃ事件として扱われるのは相当後だ、せいぜい連絡が取れないって友達とか家族が騒ぐのが二、三日後だとして。俺が付き合ってるってわかるやついないだろうな、男遊び激しかったし。大丈夫大丈夫絶対わからない。今のうちに履歴消してアリバイ確保してやらなきゃいけないことが多いああなんでこんな無計画にやっちゃったんだろうもっと計画たててればこんなことにはならなかったのに最悪だ俺の人生終わりじゃねえか就職も決まったのにこのクソ女のせいでどうしてくれるんだよもうどうしようもねえけど隣の女本当に寝てたのかな嘘ついてねえかな平然としてたから大丈夫だと思うけどクソクソクソ

バクバクと心臓が脈打つ。耳元にまでドクドク聞こえてきやがる畜生。

鉢合わせた、顔見られた、緊張で吐きそうだ。

ＥＮＤ