ファーシープと鋼鉄の少女①「出会い」

昔々、あるところに少女がいました。

少女は人のためにせかせかと働く、健気な子でした。

少女は病気のおばあちゃんを治すため、薬草集めをよくしていました。


ある日、少女が草原でいつものように薬草集めをしていると、ファーシープという白い毛の大きな羊が横たわっていました。

少女は恐る恐る近づきます。

「どうしたの?」

ファーシープに向かって尋ねました。


「罠に引っかかったんだ、だからこうして横たわって最期の時を待ってる」

ファーシープはぽつりと悲しそうに答えます。

「じゃあ私が助けてあげる!」

少女はファーシープの足を見ます。


そこには大きなトラバサミが彼の足を捕らえているではありませんか。

少女には力がありませんでしたが、少しずつ少しずつ時間をかけてトラバサミを開けました。

彼女は外したトラバサミを横にどけて、彼の傷に薬草を当てます。


するとみるみるうちに彼の傷は回復し、薬草は色が緑から薄緑へと変化していきます。

彼の傷はまるでなかったかのように回復し、薬草は役目を終えて完全な黄色へと変わりました。


「すごい、傷が治った!」

「ファーシープさん、歩ける?」

ファーシープは横になっていた体をむくりと起こし、少女を見下ろします。


「この恩は忘れないよ!お礼をしたいからお願いを1つだけ、聞かせてくれないかな」

「じゃあ、私と友達になって」

少女はファーシープの目を見て告げました。

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